『鬼滅の刃』における「呼吸」に、いくつかの型があるように、「英語の呼吸」にも「型」があります。
英語の「型」?
と思ったかもしれません。
これはいわゆる、英語の「文型」や「文法」と呼ばれるものです。
文型にも「型」という文字が入ってますね?
実は、英語はとても「型」が重要な言語です。
特に我々のような日本人が英語を理解するにあたっては。
英語の語順は日本語とは違う
多くの方がご存知のように、日本語と英語は、言葉の並びが違います。
よく言われるのは、日本語や韓国語が「SOV」型であるのに対し、英語やフランス語が「SVO」型になっていることです。
ポイント
「S」=主語(人や物を表す、文の主人公)、Subjectの略
「V」=動詞(主語の動作や状態を表す)、Verbの略
「O」=目的語(主語の動詞の対象となる人や物)、Objectの略
これは、例を使って比較するとわかりやすいですね。
日本語の例
炭治郎は(=主語S)
禰豆子を(=目的語O)
守る(=動詞V)。
英語の例
Tanjiro(=主語S)
protects(=動詞V)
Nezuko(=目的語O).
日本語が「SOV」、英語が「SVO」の並びになっていることがわかりますよね?
「炭治郎は守る、禰豆子を」という風には、普通は言いませんよね?
でも、英語はそういう語順で言う、ということです。
これだけを見ると、
「入れ替えるだけだから簡単じゃん!」
と誰でも最初は思うんです。
でも、英文がどんどん長くなってくると、それが難しくなってくるんですよね。
主語の後に動詞が来る英語
「英語は順序が反対になる」という考え方は、短い例文ならいいですが、英語のテストは長文問題もたくさんありますから、このやり方だと、どこをどう反対にすればいいのか?
・・・となっちゃいます。
大事なのは、「反対」にすることではなく、「主語(S)の次は動詞(V)」という順番なんです。
これをしっかり把握していない人が、ありえないところに「is」をつけたりして、テストで×を打たれてしまうのです。
ちなみにこの、英語の「SVO」という並び方は、英語の呼吸 参ノ型、つまり「第3文型」になります。
でも、この「SV」という並び方は、全部で5つある「英語の呼吸(文型)」のいずれにも共通していて、どの呼吸(文型)も必ず「SV」から始まります。
ポイント
英語の呼吸
壱ノ型(第1文型):SV
弐ノ型(第2文型):SVC
参ノ型(第3文型):SVO
肆ノ型(第4文型):SVOO
伍ノ型(第5文型):SVOC
英語の呼吸は5個しかないの?
少なくね!?
と思ったかもしれませんが、逆に言えば、英語の呼吸はコツさえつかめばとても覚えやすい呼吸とも言えます。
日本語は「型」が作りにくい言語で、たとえば「私はお腹が空いた」なんてことはまず言わず「お腹が空いた」と言いますが、これだと「私は(S=主語)」が省略されます。
英語には特別なことがない限り、「S=主語」が省かれることはなく、当然のことながら「V=動詞」もその後に続くことがほぼ決まっています。
つまり、文字通り基本の「型」なのです。
ちなみに、これはあくまでも「肯定文」のルールですから、「疑問文」「命令文」など、語順が変わるものは別枠として考えてもらう必要があります。
ちょうど、水の呼吸の「弐ノ型・改 横水車」とか、「漆ノ型 雫波紋突き・曲」とか「玖ノ型 流流舞い・乱」みたいな「応用技」と考えてもらうとわかりやすいと思います。
「型」だけおぼえればいいって事ではなく、それを「使い切る」って事が大事なんですね。
ネイティブには不要だけど、日本人には必要な理由
この「文型」というのは、イギリスの言語学者が考えたものだそうです。
ということは、英語を母国語(ネイティブ)とする人たちにとっても、必ずしもなじみがあるものではありません。
日本でもそうですよね?
日本語の文法を一応学校では習いますが、そのことをどれだけの人が完璧にマスターして、意識して使っているでしょうか?
英語の「文型」も同じことが言えて、母国語の人には、よほど言語を専門的に扱う人以外には不要と言われています。
でも、我々のような、特に「V」が後ろに来る日本人にとっては、「英語の呼吸」は、英語をマスターするためには必要な「型」なのです。
「型」というと、日本人からすると窮屈な感じがしますが、英語が「国際語」となったのは、植民地支配の影響もありますが、この「型」が決まっているおかげという部分もありると言われています。
なぜなら、日本語と違って、英語は「語順で意味が決まる」性質があるからです。
語順で意味が決まるといってもピンと来ないと思うので、日本語と英語の違いを見るとよくわかります。
日本語の場合
肯定文:君は千寿郎くんです。
疑問文:君は千寿郎くんですか。
英語の場合
肯定文:You are Senjuro.
疑問文:Are you Senjuro?
いかがでしょうか?
日本語は、最後に「か」という助詞をつければ、「?」をつけなくても疑問文(たずねる文)になりますが、英語は、語順から変えてしまうし、最後に「?」をつけなければなりません。
これは「型」とは関係ありませんが、英語が、「語順で意味が決まる」言語だと言うことがよくわかっていただけるかなと思います。
ちなみにこれはなぜかというと、
英語には「助詞」がないからです。
その代わりに、「語順」で意味を決めるという形で発展してきたんですね。
逆に日本語の場合は、「助詞」を使うことで、「君は千寿郎くんですか」も「千寿郎くんは君ですか」も同じ意味として使えるようになっていますし、なんなら「君が千寿郎くん?」だけでも同じ意味になったりする、結構幅の広い使い方のできる言語なんですね。
そんな日本語になれている我々からすると、この「英語」のルールはまことに面倒です。
でも、日本語みたいに、順番を入れ替えても意味が通じる言語というのは、逆に言えば、おぼえる事が多くなって大変なんですよね。
外国人からすると「日本語が難しい」というのは、そういう所から来てます。
言い方が色々ありすぎるんですよね。
その点、英語はとてもシンプル。
「型」、語順で文の意味がだいたい決まりますので、それがマスター出来ると、大分、英語の理解が楽になるんです。
頑張って下さいね!(しのぶさん風に)