2月になりました。
『鬼滅の刃』のマンガの方の公式では、
2月のカレンダーが公開されています。
今月誕生日があるのは、冨岡義勇&胡蝶しのぶ。
仲良し(ではないけど)コンビが2月に誕生日ということで、
今日はまず胡蝶さんをメインで取り上げます。
「感情の変化」とそれによる英語の表現の変化も合わせて追っていきますよ!
本日のセリフはコチラ!
柱合会議の後、蝶屋敷の屋根で
一人、修行をしていた炭治郎に胡蝶さんが話しかけ、
胡蝶さんに「君は心が綺麗ですね」と言われたシーンの後の一コマ。
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炭治郎が胡蝶しのぶ(以下、胡蝶さん)から、
「怒り」の匂いを感じ取り言った、
「怒ってますか?」
を『鬼滅の刃』英語翻訳版のネイティブ英語でどう訳された?という問題です。
問題
怒ってますか?
選択肢
①Are
②Do
③Have
④Will
問題としては難易度低めです!!
目次
答え
正解
怒ってますか?
①の「Are」が正解でした!
「なんとなく」わかった方も多いと思いますが、
ハッキリとした理由が説明できますか?
これがわからないと、
のちの胡蝶さんの返答の英訳も理解できませんよ!
解説
「Are you ~?」と「Do you~?」の違いをハッキリとさせましょう!
Are you angry?
怒ってますか?
「怒ってる?」と聞く疑問文の定番表現なので、
なぜ「Are」なのか?というよりも、
そういうものと思っている人の方が多いかもしれませんが、
ちゃんとした理由があります。
「Are」じゃないといけない理由は、
「angry」の品詞が「形容詞」だからですね。
英単語
[形]怒っている、怒りの、腹を立てて
結構勘違いしておぼえている人も多いのですが、
「angry」自体に「怒る」という意味はありません。
あくまでも、
今回のシーンのように、
「怒っている」という状態
を表す時に使う形容詞です。
そして、
「you」に対応するbe動詞「are」を使って、
Are you angry?
=あなたは怒っている状態ですか?
⇒怒ってますか?
となっているわけですね。
だから、
動詞を必要とする「Do」「Will」、
動詞の過去分詞を必要とする「Have」
などから始まることはあり得ないわけですね。
なお、
英語には日本語の「怒る」と同じように使える動詞はなく、
実に様々な単語が存在します。
が、日本語での一般的な用語の「怒る」ということで使う場合は、
ポイント
get+angry=怒った状態になる⇒怒る
〔例文〕She got angry.(彼女は怒った)
make+angry=怒った状態を生み出す⇒怒らせる
〔例文〕He makes you angry.(彼はあなたを怒らせる)
〔参考〕
be動詞+angry=怒っている状態⇒怒っている
〔例文〕Are you angry?(怒ってますか?)
という形で、使役動詞+angryで表現することが多いですよ!
胡蝶さんの答えは?
ちなみに炭治郎のこの「問い」に対しての胡蝶さんの答えは、二回、ありました。
そこの心情的変化も合わせて追っていきますね。
(以下、アニメ派の人にはネタバレありです)
胡蝶しのぶの答え①
「そう…そうですね 私はいつも怒っているかもしれない」
まずは先のセリフ
炭治郎
Are you angry?
怒ってますか?
という問いのすぐ後、
自身でも無意識だった本心を言い当てられて驚く胡蝶さんに対して炭治郎がさらに、
炭治郎
Even though you're always smiling... you always smell sort of angry.
なんだかいつも怒ってる匂いがしていて ずっと笑顔だけど…
※even though=~だけども、smell=匂いがする、sort of angry=怒ってるみたいな
と追い打ちをかけたセリフへの解答ですね。
胡蝶しのぶ
Well... I guess... you could say I'm angry.
そう…そうですね私は いつも怒っているかもしれない
※I guess=~かもしれない、you could say (that節)=あなたの言うとおり~
この時の胡蝶さんは、
炭治郎に言い当てられるまで
自分が「いつも怒っている」ことに気づいていませんでした。
だからこそ驚き、戸惑い、
その中で絞り出した自分なりの「答え」がこのセリフですね。
なので、英訳でも始まりは、
「Well...」という
「ええ?」「えっと」など驚きや迷いがある時に使う間投詞で、
続いて、
「I guess~」という
確証はない、推測を表す「思う」で、
「~かもしれない」と訳されることが多いです。
「you could say (that節)」
は「あなたが言っているように~です」
というネイティブ英会話表現です。
後ろに「that節」が来るので、
この場合は「(that) I'm angry」が来て、
you could say (that) I'm angry
=あなたの言うとおり私は怒っている
となるわけですね。
これをまとめると、
I guess... you could say I'm angry.
=君の言うとおり怒っているかもしれない
⇒そうですね私は いつも怒っているかもしれない
と訳せるわけですね。
原作にあった「いつも=always」が消えたのは、
炭治郎が二回「always」を使い、
それを受けて「you could say that(言っているとおり)」となっているからですね。
胡蝶しのぶの答え②
そう私 怒ってるんですよ炭治郎君
ずっとず――っと怒ってますよ
こちらはネタバレありです。
胡蝶さんが上弦の弐・童磨(どうま)との戦いのさなか、
炭治郎の「怒ってますか?」を思い出し、
それに対した「ハッキリとした答え」を出したシーンですね。
継子が何人も殺されたが、
家族を鬼に殺された蝶屋敷の女の子たちのため、
ずっと自分の感情を抑え込んでいた胡蝶さん。
しかし、
自身の最愛の姉・カナエを殺した宿敵と会敵し、
優しい姉が鬼を哀れんでいたけれども、
コイツが、
どうにもこうにも救いようのないサイコなクズ野郎だったわけです。
なのに強い。
そして倒せない。
だから走馬灯のように現れた炭治郎の質問に、
しのぶの感情が爆発して、
ストレートに本音で返答をするシーンです。
このストレートな表現を、英語でどう訳されているかですが・・・
胡蝶しのぶ
Yes, I'm angry, Tanjiro.
そう私 怒ってるんですよ炭治郎君
I've always been angry.
ずっとずーっと怒ってますよ
Are you angry?
に対しての、
Yes, I'm angry, Tanjiro.
という、もの凄く教科書的な疑問文とその答えでしたね。
いつも自分の感情を抑えていたけれど、
この時は、飾る必要もない、シンプルな答え方を選んだわけです。
その後の、
I've always been angry.
は、「現在完了形」といわれるものですね。
I'm angry
がbe動詞を使っているので、
その過去分詞「been」になっています。
このシーンでは、
今怒っている
⇒現在形のI'm angry
今までずっと怒っている
⇒現在完了形のI've always been angry
を両方使っているわけですね。
現在形で「形容詞」を使った文だから「are」。
その現在完了形だから「been」。
というのがよくわかる例ですね!
なお、
原作が「ずっと」なのに、
「always=いつも」
なんてヘンだな~思うかもしれませんが、
そもそも「always」は「頻度100%」という意味で、
日本語の訳がたまたま「常に、いつも」なだけで、
完了形と合わせることで「これまでずっと」と訳すこともできます。
今日のまとめ
「現在完了形」は過去分詞・・・ということを丸暗記しがちで、
「have」が来たら過去分詞に「変える」という問題は結構簡単だったりするのですが、
適語を「入れる」という問題は結構難しかったりしがちです。
今回のように「現在完了形」で「been」を入れるケースは、
「angry」のような「形容詞」(とあと名詞)が来る時とわかってもらえたからいいなと思います。
今日の言葉
怒ってますか?
Yes, I'm angry, Tanjiro.
そう私 怒ってるんですよ炭治郎君
I've always been angry.
ずっとずーっと怒ってますよ
今日のテキスト
前後の会話も踏まえて読むと、より理解が深まります!