英語の呼吸「参ノ型(第3文型)」です。
「弐ノ型(第2文型)」の所で少し話しましたが、「参ノ型(第3文型)」以降はこれまでとちょっと変わって来ますので、この「参ノ型」を身につけると、この後の「肆ノ型(第4文型)」「伍ノ型(第5文型)」を身につけることも難しくありません。
頑張っていきましょう。
壱ノ型(第1文型)との違い
英語の呼吸の「型」、つまり「文型」はすべて、「壱ノ型(第1文型)」を基本としています。
ポイント
壱ノ型(第1文型)
➡S(主語)+V(動詞)
「参ノ型(第3文型)」も、その流れを受けて、このような形になっています。
ポイント
参ノ型(第3文型)
➡S(主語)+V(動詞)+O(目的語)
壱ノ型の後ろに「O(目的語)」がついていますね。
たったこれだけですが、壱ノ型と参ノ型は文の意味が全然変わってきます。
この、目的語を理解するために、『鬼滅の刃』英語版で、例文を見てみましょう。
炭治郎
I smell a cat.(猫の匂いがする)
これは、炭治郎が、皿を割った犯人にされた少年に「匂いを嗅いでくれ(そして犯人を教えてくれ)」という頼まれ、その犯人?犯猫?を告げたシーンでしたね。
日本語の感覚だと「猫の匂いがする」と書いてあれば、「猫(a cat)」を最初に持って来たくなるところですが、英語では、「匂いがする」「見る」「触る」「聞く」「味がする」などの五感で感じるものを「一般動詞」で表し、その主語は、その動作をする人になります。
ですから、主語(S)が「I」、動詞(V)が「smell(匂いがする)」という語順になりますね。
でも、S+Vで考えて、「I smell.」だけだとどういう意味になると思いますか?
「(私は)匂いがする」
でも、「匂いがする」って言われたら普通、こう言いません?
「何の?」
「I smell a cat.」の「a cat」の部分が、その「何の?」の答えなのです。
壱ノ型(第1文型)は、その「何の」が必要のない文しかありませんが、参ノ型(第3文型)は、その「何の」が含まれた文なんです。
弐ノ型(第2文型)との違い
先ほどの例文は、典型的な「参ノ型(第3文型)」の文でした。
メモ
I(S) smell(V) a cat(O).
私は(S) 猫の(O) 匂いがする(V)。
「弐ノ型(第2文型)」は、「S+V+C(補語)」で、「S=C」の関係が成り立つとお話ししました。
ポイント
弐ノ型(第2文型)
➡S(主語)+V(動詞)+C(補語)で、S=C
しかし、「参ノ型(第3文型)」は「S=O」の関係が成り立ちません。
「参ノ型(第3文型)」では、「S≠O」の関係なんです。
ポイント
参ノ型(第3文型)
➡S(主語)+V(動詞)+O(目的語)で、S≠O
先ほどの例文で行けば、「I(私は)=a cat(猫)」ではないですもんね?
あくまでも「a cat」は、動詞にとっての「目的対象」なんですね。
「目的語」とはなにか?
「目的語(O)」の概念は、意外と「補語(C)」よりもカンタンです。
なぜなら、「目的語」という名前がピッタリの役割をするからです。
「目的語」を理解するために、こういった文も見ていきましょう。
善逸
俺 じいちゃんが好きだよ!!
小さな子どもでも知っている代表的な英文、「I love you」ですね。
なお、本編では後ろに、「,(カンマ)」をつけて、「grandfather(祖父、お爺さん)」のくだけた表現「gramps(じいちゃん)」がついていますが、これは、「,」の前を装飾している英文のテクニックの一つですので、文法上は文型の要素にカウントされません。
よって、
メモ
I(S) love(V) you(O).
俺(S) あなたが(O) 好きだよ(V)。
これも、
「I love.」
だけで終わったら、
「誰を?」「何を?」
ってなりますよね?
その「誰を?」「何を?」を表すのが「目的語」です。
「ちょっと行ってくるよ」と言ったら「どこに?」となりますよね?
その「どこに」っていう目的地も、「目的語」です。
英語で「I go there.(私はあそこへ行くよ)」も、「there(あそこ)」が「目的語」になります。
弐ノ型の「補語」よりもわかりやすくないですか?
これをまとめると、
ポイント
参ノ型(第3文型)
➡S(主語)+V(動詞)+O(目的語)=SがOを/に/の*V
*Oの後の助詞(を/に/の)は日本語の文章に合わせる
ということになります。
「参ノ型(第3文型)」で使う動詞
「弐ノ型(第二文型)」では、「S=C」になる関係で、
「SがCだ」という意味の動詞「be動詞」をとてもよく使うとお話ししました。
しかし、これは逆に言うと、
be動詞は「参ノ型(第三文型)」で使われない、ということを意味します。
しかも、絶対に。
なぜなら、「壱ノ型(第1文型)」「弐ノ型(第2文型)」で使う動詞は「自動詞」、「参ノ型(第3文型)」以降は他動詞を使うためです。
「自動詞」「他動詞」は「一般動詞」の分類ですが、be動詞は他動詞的な性格を持っていません。
つまり、「参ノ型(第3文型)」以降で使う動詞は、一般動詞の中の「他動詞」のみとなります。
ポイント
「壱ノ型(第1文型)」と「弐ノ型(第2文型)」なら「be動詞」か「自動詞」
「参ノ型(第3文型)」以降なら「他動詞」
これは大事な、でも意外と多くの人が知らない(私も知らなかった)真実です。
そして、「他動詞」とは何かというと、「弐ノ型」の時にチラッとお話ししましたが、「目的語」を必要とする動詞のことです。
再び同じ「close」という動詞を見てみましょう。
はてな
close(ウィズダム英和辞典より)
〔自〕閉まる、閉じる、終わる、終了する、縮まる
〔他〕…を閉める、…を閉じる、…を打ち切る、…を縮める
他動詞の方だけ「…を」という意味がついていますよね?
つまり、他動詞の方だけ、必ず前(英文では後ろ)に何か単語(目的語)が来るよ、ということを表しています。
最初の例文に使われていた「smell」も見てみましょう。
はてな
smell(ウィズダム英和辞典より)
〔自〕においがする、悪臭を放つ、嗅覚がある、不正である
〔他〕…のにおいがする、…のにおいをかぐ、…を察知する
こちらも、「…を」ではないものもありますが、他動詞の方だけ、「目的語」を必要としていることがわかりますね。
逆に自動詞の方は、そのものが「悪臭を放つ」という言い方ができます。
「He smells.(彼は匂う)」(➡第1文型)
他動詞の時は、
「I smell something burning.(焦げた匂いがする)」のように、必ず目的語を必要とするわけですね。(➡第3文型)
「~を」となるのが「目的語」と教える人もいるようですが(日本語の目的語は「~を」だから)、英語の場合は、辞書で見た時に必ずしも「~を」にならない場合も当然ありますので、その辺はお気をつけくださいね。
大事なのはあくまでも、「動詞(V)」の目的対象が「目的語(O)」ということです。
ですので、動詞が自動詞でない場合、つまり、S=Cにならない語が後ろにつく場合、動詞は「他動詞」となり、その後ろは「目的語(O)」になる、ということですね。
(上記の例なら「I≠something burn」なら「smell」は他動詞)
これを知っておくだけでも、辞書を引くスピードが速くなりますよ。
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