『鬼滅の刃』名シーンでわかる英文法 鬼滅の名言を英語で!

「誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ もう派手派手だ」を英語で?【難易度★★★★】

派手派手だ

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英語では、

日本語では「生物」が主語なのに、

英文にすると「無生物」が主語になることが多々あります。

 

今日はそんなお話を、

『鬼滅の刃』のネイティブ英語版『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba』の一コマを例文にしてご紹介します。

 

問題!

今回のお題は、英語版『鬼滅の刃』単行本6巻の柱合会議のシーンから。

 

柱合会議に連れてこられた炭治郎の処遇を「斬首にすべきだ」という意見があったのち、

「ならば俺が派手に頸を斬ってやろう」と言った宇髄さんの、続きのセリフですね。

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派手派手だ

吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第6巻(集英社)

今回はこの「誰よりも派手な血飛沫(しぶき)を見せてやるぜ もう派手派手だ」を、

英語版でどう訳されたか?を見ていきながら、使役動詞の使い方、使われ方を見ていきましょう!

 

問題

Even the blood splashes will(   )panache!
誰よりも派手な血飛沫(しぶき)を見せてやるぜ
※panache=華々しさ

Really flashy-flash!
もう派手派手だ

選択肢
①let
②have
③get
④make

どの使役動詞を使うか?という問題ですね。

宇髄さんの嫌いな「地味」に難しい問題です。

 

答え

 

派手派手だ

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.6

正解

Even the blood splashes will have panache!
誰よりも派手な血しぶきを見せてやるぜ

Really flashy-flash!
もう派手派手だ

 

②の「have」が正解でした!

 

 

例文解説

「派手」をシンプルに訳すわけじゃなく、

宇髄さんが言っているニュアンスが伝わるようになっている、という所に注目しましょう。

Even the blood splashes will have panache!
誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ

主語が「the blood splashes=血飛沫」
(述語)動詞が「will have」

の文ですね。

 

文頭の「Even」

意味を強調する副詞です。

英単語

even
[副詞]でさえ、たとえ、いやむしろ、実際、さらに
[形容詞]平らな、均等な、一定の
[動詞]等しくする、平たくする

 

原作は、

誰よりも派手な血しぶきを見せてやるぜ」

となっていますので、

日本語の感覚だと比較級が必要になる文なのですが、

 

このセリフはあくまでも

「ならば俺が派手に頸を斬ってやろう(I'll cut off his head with style!)」

というセリフの続きですから、

むしろ、誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ」

ということが宇髄さんの言いたいことですよね?

 

なので、前の文を強調する意味で、

副詞「Even」を文頭に持ってきて、比較的な表現を再現しているわけですね。

 

「見せる」が「have」になる?「無生物主語」

その後に続く

the blood splashes

the blood=その血の
splash*=飛沫(しぶき)

という名詞のかたまり(名詞句)で、この文の主語になります。

*「splash」は可算名詞なので複数形になっています。

 

原作は、

(俺が)誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ」

と主語が隠れているので、

日本語の感覚だと主語を「I」とするべきですが、

実際の英訳は原作と異なり、

主語が「血飛沫」に変更されているわけです。

 

この「英語の感覚(英語の呼吸)」は、

日本人にはなかなか理解しがたいですが、

文法用語で「無生物主語」というやつですね。

 

この「主語の変更」に伴い、

以降に使う言葉がまるっと変わり、

動詞が「見せる=show」ではなく、

「have」に変更になっているのです。

 

無生物主語「have」

無生物主語の時に使う動詞は、

「let」「make」「have」など使役動詞になります。

 

「使役動詞」というとなんだか難しい表現ですが、

「~させる」という意味になる事が出来るやつですね。

 

 

今回使われた「have」もその一つで、

the blood splashes will have ~
=血飛沫に~を持たせてやるぜ

という風に使う事が出来ます。

 

英語は一番最初に言いたいことを持ってくる言語ですから、

無生物主語を最初に持ってくることで、

それ(この場合は血飛沫)にフォーカスしてほしいわけですね。

 

この「感覚」は頭ではなかなか理解しがたいので、

常に英語の感覚で考える「英語の呼吸・常中」で英語を理解する必要があります。

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洋菓子のよう?「panache」

今回は、使役動詞「have」の後ろに

「panache」

という中々見慣れない名詞が出てきました。

 

英単語

panache
[名詞]華々しさ、気取り、見せびらかし、羽根飾り

発音がなんとなくフランス菓子みたいなのは、

ラテン語⇒フランス語⇒英語となった言葉だからですが、

元々は、兜などにつける「羽根飾り」、つまり、

なくても困らないのにあえてつける装飾

を表す言葉です。

(宇髄さんのアクセサリーもpanacheですね)

 

普通に頸を斬れば出てくる血飛沫を、

will have panache
=華々しさを持たせたい

ということで「派手」という言葉の代わりにして

Even the blood splashes will have panache
=むしろ血飛沫に華々しさを持たせてやるぜ
⇒誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ

という英訳になっているわけです。

 

Really flashy-flash!
もう派手派手だ

原作では「派手」という言葉を散々使ってきた宇髄さんですが、

これまでの英訳では、

「ならば俺が派手に頸を斬ってやろう(I'll cut off his head with style!)」

「誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ(Even the blood splashes will have panache!)」

と、まったく違うやり方で「派手」が表現されていました。

 

しかし、ここでは違っていましたね。

 

「本当に、実に」という意味で有名な「Really」という副詞で強調しながら、

似たような「flashy」と「flash」を組み合わせた、

「flashy-flash」で表現していました。

英単語

flashy
[形容詞]派手な、一瞬華やかな

英単語

flash
[動詞]光らせる、パッと照らす、見せびらかす
[名詞]閃光、フラッシュ、ひらめき
[形容詞]派手な

 

 

両方とも「派手な」という意味がありますが、

それぞれをハイフンで結びつけ、

ひとかたまりの形容詞にしているんですね(複合形容詞)。

 

この、

複合形容詞で代表的なのは、「7-year-old」ですね。

「7 years old」と違い単数形になるのは、ひとかたまりの形容詞だからなんですね。

 

この辺の詳しい話は他のサイトをご覧いただくとして、

原作の日本語が、

「派手派手だ」と同じような言葉をくり返したかたまりとしているため(日本語では名詞+形容動詞)、

 

英語でも、

似たような言葉をくり返したかたまりにした、と考えるとわかりやすいですね。

 

ちなみに、

英語で「flashy-flash」という表現があるかというとどうもないようで(当たり前だ)、

ググると、

まさかの、マンガ『ワンパンマン』に出てくる、「閃光のフラッシュ」の英語名でした(汗)。

 

 

今日のまとめ

今回の文はいずれも英語的な訳し方をした文で、

難しい文法表現を使っている感じがしてしまいますが、

「強調したいときは副詞から始める」

「強調したいものを主語に持ってくる」

という基本的な英語表現でもありますので、この英語の感覚(英語の呼吸)に慣れるといいですね!

 

今日の言葉

Even the blood splashes will have panache!
誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ

Really flashy-flash!
もう派手派手だ

 

今日のテキスト

-『鬼滅の刃』名シーンでわかる英文法, 鬼滅の名言を英語で!
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