鬼滅の名言を英語で!

「君の父がやっていた神楽が戦いに応用できたのは実にめでたいが」の英訳はなぜこうなる??

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の記事の中で「未解決」だった「謎訳」を追う回です。

(あまり誰かの役に立たない可能性の高い記事です)

 

該当のシーンはコチラ、

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.7

煉獄杏寿郎

Oh! So that's it, huh!
うむ!そういうことか!

Well, I dunno!
だが知らん!

And this is the first time I've heard of the Hinokami Kagura!
「ヒノカミ神楽」という言葉も初耳だ!
※the first time=初めて

But it's great that your father was able to apply the kagura to fighting!
君の父がやっていた神楽が戦いに応用できたのは実にめでたいが
※apply=応用する

And that's enough of that topic!!
この話はこれでお終いだな!!
※enough of=もうたくさん、topic=話題・トピック

「君の父がやっていた神楽が戦いに応用できたのは実にめでたいが」

の部分が、なぜ

「But it's great that your father was able to apply the kagura to fighting!」
君の父が神楽戦いに応用できたのは素晴らしいが)

と、「your father」となっていたのか?

 

というのがわからないままだったので、その後追い記事です。

(ちくわまるさんにアドバイスいただきました!ありがとうございます!)

 

前から大事なことをいう英語

英語は、基本的に、結論を先に言う言語です。

具体的には、「○○する」という動詞が主語のすぐ後に来て、

動詞が最後に来る日本語と根本的に文章が違います。

 

ですから、

日本語的に考えるのではなく、

英語の感覚(英語の呼吸)で、英語らしく先頭から理解していくと

なんでこんな不思議な英訳をされたのかが見えてくるものです。

 

文頭のBut

英語でわかりにくい文章は、

拾壱ノ型「スラッシュリーディング」でスパスパ斬っていき、

前から訳していくのが基本でした。

But / it's great / that / your father was able / to apply the Kagura / to fighting!

 

まずは文頭の「But」です。

 

日本語の感覚だと「but=しかし、だが」という訳になるので、

いったん文を切って、「But」から始めるのも別に問題はないと感じますが、

「正しい英語文法」では「but」を文頭には置かないそうです。

 

ただ、実際のところ、

会話やニュース記事、物語文など、お堅い文以外は、

「でも」を強調したいときなどに文頭に置いてもOKのようです。

 

今回は、

煉獄杏寿郎

Well, I dunno!
だが知らん!

And this is the first time I've heard of the Hinokami Kagura!
「ヒノカミ神楽」という言葉も初耳だ!

と言ったことに対しての「but」として持ってきているわけですね。

 

it ... that構文

続く「it is great that...」は、

it is 形容詞 that 主語+動詞
主語+動詞ということは形容詞だ

という意味で、

いわゆる「形式主語it」と「that節」を使う文で、

文法書では「主語が大きくなるから、仮主語itを置く」みたいな説明をされます

 

でも、

あくまでもそれは「文章を理解するため」の方法であって、

実際に話す時に「主語が大きくなるから後で言おう」などと思うのは不便もいいところです。

 

じゃぁ、

なんのためにこの表現が存在するかというと、

例えば今回のケースであれば、

「great」という「感想」をまず言いたいわけですね。

 

英語は文を作るのに主語と(述語)動詞が必要だから「it is」と言ってるだけで、

言いたいのはその後の形容詞なんです。

だから、会話では「it's」と省略されることが多いわけです。

 

それを踏まえると、

煉獄さんのセリフの英訳で表現したかったことは

But it's great!
=しかし素晴らしいことだ

ということなんですね。

 

that your father was able

その後に続く「that」は、

主語+(述語)動詞の節の入った「that節」を作る接続詞で、

「~ということ」と節の内容を説明する訳をつけられることもあります。

 

節の中の主語「your father」に続くのが、

「was able to」ですね。

 

よく「~できる」と訳される「be able to」の過去形です。

 

ちなみに似た意味にとらえられがちな「could」は

過去にだけできたことを指し、

「was able to」は、

「able=する能力がある」という形容詞と、
「to不定詞=~するための」を使った表現
で、

「~するための能力があった」という意味ですから、

過去にいた人(この場合は炭治郎の父・炭十郎)が、

常日頃からできたことを指すので、

「was able (to)」

が使われていたんですね。

 

つまり、

But it's great that your father was able
=しかし素晴らしいことだ、君の父は~する能力があったんだな

と理解できるわけです。

 

to apply the Kagura to fighting

最初の「to」は、

「be able to」の「to」ですが、

不定詞の「to」でもありますね。

 

そして、「apply」という動詞には、

英単語

apply
[動詞]申し込む、当てはまる、適用する、応用する、専念する

という意味があり、

後ろに前置詞「to~=~に/へ」がつくことが多い単語です。

 

特に、

apply A to B
=AをB応用する

という使い方もできますので、

今回は

the Kagura to fighting
=神楽を戦いに応用する

という訳し方ができるわけですね。

 

「to」は➡というイメージで使えますので、

the Kagura➡fighting
=神楽➡戦うこと

と理解してもいいでしょう。

 

ちなみに、

「fighting」は前が「to」なので動名詞です。
(toの後ろは不定詞以外は名詞が来るから)

 

以上のことから

But it's great that your father was able to the Kagura to fighting!
=しかし素晴らしいことだ、君の父は神楽を戦いに応用する能力があったんだな

と訳せるわけです。

 

 

なぜ原作と訳が違うのか?

ここまで引っ張っといてなんですが、

ぜんぜん解決していない感じがしますよね?

 

原作では、

煉獄杏寿郎

君の父がやっていた神楽が戦いに応用できたのは実にめでたいが

となっていて、

炭治郎が「応用できた」という話しかしておらず、

「炭十郎に応用する能力があった」などとは言っていません

 

ではなぜ、英語版では、

炭十郎に「応用する能力があった」ことにフォーカスした言い方をしたのか?

 

①客観的事実で結論を言いたかった説

そもそも、

「it is 形容詞 that節」

という文法表現は、

具体的に考えている内容が後から出てくる表現です。

 

こういった表現は、

感情が先⇒考えが後

となるので、文自体が「客観的」になるんですね。

 

It is nice to play tennis together.
=いいですね、一緒にテニスをすることは

というように、

客観的に思ったことを、「that節」や「to不定詞」で述べるわけです。

 

翻訳者は、

このシチュエーションでは、

煉獄さんは炭治郎の質問を「知らん」「初耳だ」と片づけて、

「But」を持ってきて「めでたい」という感情を言う状況から、

 

「君の父は神楽を戦いに応用できたってことか!」

っていう煉獄さんの中で出した「客観的な結論」を言ったから、

原作とはなにか雰囲気の違う訳になった、という理由も考えられます。

 

また、この後のセリフが、

煉獄杏寿郎

And that's enough of that topic!!
この話はこれでお終いだな!!

enough of=もうたくさんだ

を使って、「話にケリはついた」と結論づけているわけです。

 

つまり、

煉獄さんの中では「考えるのを放棄」したのではなく、

「考えた上で結論づけた」という終わり方にしたくて、

このような訳し方をした、ということも考えられるわけです。

 

いかにも「結論をハッキリさせたい英語」らしい考え方です。

 

②「神楽」の問題

もう一つ考えられるのは、「神楽」です。

 

我々日本人は「神楽」というものが、

「神」という文字が入っているため

神に捧げる舞いの一種だということはわかりますね。

 

だから、

「君の父がやっていた神楽が戦いに応用できたのは実にめでたい」

と言われてもすんなり理解できます。

通常は戦いに応用できないことを知っているからです。

 

しかし、

「神楽」が具体的にどういうものか知らない人からしたらどうでしょう?

神楽(the Kagura)が戦いに応用(apply)と言われても、

スゴさが伝わりづらい感じがしますね。

 

なので、

あえて遠回しに

「剣士でも何でもない君の父が戦いに応用できる神楽ができた」⇒「great」

という形に「意訳」したのではないか?ということも考えられます。

 

③単なる誤訳

他の理由としては、

「誤訳」ということもあり得ます。

 

「獣の呼吸」が重複していたり、たまにありますからね。

 

ただ今回のは、

訳を間違えたというよりは、

原作を読み間違えた、と言うことでしょうが・・・。

 

「君の父が(やっていた)神楽が戦いに応用できた」

と、「やっていた」を省略すると、確かにこの訳に近くなりますからねぇ・・・。

 

まぁ、

「君の父が神楽が」はヘンなのでそんなことはないでしょうが・・・

いやはや。

 

 

本日のまとめ

結果真実はわからないもの、後々を見てみると、炭十郎が呼吸を使って熊を倒すシーンが出てきますので、煉獄さんの「結論づけた」父が神楽を戦いに応用できたを結論づけたのも間違いではない・・・。

ひょっとしてジャンプ本誌で読んでいた訳者が、その感覚で訳しちゃったとか・・・まさかそんなネタバレ的なね。

 

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