鬼滅の名言を英語で!

サイコパス魘夢(えんむ)の「人間の歪んだ顔が大好物だよ堪らないよね」を英語で?【難易度★★★】

人間の歪んだ顔が大好物だよ堪らないよね

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ここでは、

毎日更新されるカウントダウンと一緒に出てくる各キャラのセリフが、

鬼滅英語版『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba』で、

どう英訳されているのか?

というご紹介をしながら、

わかりやすく英語の文法解説をしていきますが、

久しぶりの更新!

(飛ばした分は後日やります、たぶん)

 

昨日のセリフはこちら!

文が長くて昨日中にまとめられなかったので、昨日のを今日やります!

 

この、魘夢の「人間の歪んだ顔が大好物だよ堪らないよね」

『鬼滅の刃』英語翻訳版のネイティブ英語でどう訳された?という問題です。

収録は原作・英語版共に単行本7巻です。

人間の歪んだ顔が大好物だよ堪らないよね

吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第7巻(集英社)

問題

I must say... I like to show a nightmare after I show someone a good dream.
本当は 幸せな夢を見せた後で悪夢を見せてやるのが好きなんだ
※nightmaere=悪夢

I(   )(   see the contortions of a human face!
人間の歪んだ顔が大好物だよ堪らないよね
※contortion=顔を歪めること

To gaze upon someone struggling with their grief and suffering- so much fun!
不幸に打ち拉(ひし)がれて苦しんで踠(もが)いてる奴を眺めてると楽しいでしょう
※gaze upon=眺める、struggling=もがいている、grief=悲嘆、suffering=苦悩

ヒント:前の文に似ています!

「堪らない」をそのまま和英辞書で調べたら出て来ませんので、イメージで捉えてください!!

 

 

答え

人間の歪んだ顔が大好物だよ堪らないよね

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.7

正解

I must say... I like to show a nightmare after I show someone a good dream.
本当は 幸せな夢を見せた後で悪夢を見せてやるのが好きなんだ

I love to see the contortions of a human face!
人間の歪んだ顔が大好物だよ堪らないよね

To gaze upon someone struggling with their grief and suffering- so much fun!
不幸に打ち拉(ひし)がれて苦しんで踠(もが)いてる奴を眺めてると楽しいでしょう

※音声は合成です

 

love to」が正解でした!

日本語でも「ウチの猫のしぐさは堪らん」というように、

愛おしくてどうしようもない気持ちを「love」を使って表しているんですね!

(人間だったらかなりヤバい奴ですが!)

 

 

解説

今回、解説が超長いです!

必要に応じて読み飛ばしてください!

I must say...
本当は

直訳すると「俺は言う必要がある」でしたが、ぜんぜん違う訳でしたね。

 

でも、ちゃんとした理由があります。

 

冒頭のこの言葉が使われたのは、原作では、回またぎした冒頭の魘夢のモノローグ(独白)ですね。

 

そしてその直前に炭治郎に対して魘夢が言ったのが、

せっかく良い夢を見せてやっていたでしょう

吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第7巻(集英社)

魘夢

せっかく良い夢を見せてやっていたでしょう
お前の家族みんな惨殺する夢を見せることもできたんだよ?
今度は父親が生き返った夢を見せてやろうか

と、「いいことをしてるんだよ」みたいな建前です。

 

それに対しての、本音として、

「本当は」から始まるモノローグになるわけですが、

実は、「I must say」は、

このひとかたまりでよく使われるネイティブの定番フレーズで、こういう本音を言う時に使えます。

定型句

I must say
=本当に、本当言うと、まったく

 

日本人の感覚からすると、

「must=強い義務」と覚えているので、ヘンな感じに思えるかもしれませんが、

どう考えても「言わなきゃいけない義務」はないシチュエーションですよね?

 

なのであまり意味など考えずに、

後に続く文を強調するための定番フレーズとして覚えておくのがよいですね。

 

なお、似たような表現に、

I have to say
I've got to say

などがあり、これらも「I must say」と同じように「本当は」として使う事もできますが、

義務の強弱(must>have to)で、その「想い」の違いを表す表現になるそうです。

 

つまり、この英訳された「I must say」には、

魘夢の、

「言いたくて言いたくて仕方がない本音」を言うよという、

魘夢のいや~な性格が出る本音を伝えるためのピッタリの表現だった、というわけですね。

 

I like to show a nightmare after I show someone a good dream.
幸せな夢を見せた後で悪夢を見せてやるのが好きなんだ

「after dinner(夕食後に)」などのように、

通常名詞の前に使う「前置詞」として使われることの多い「after」が、

分と文をつなぐ「接続詞」として使われていた文ですね。

英単語

after
[前置詞]~の後に、経ってから、~を過ぎて
[接続詞]~した後で、~経ってから
[副詞]~後に、~後で、以降

 

なので文の構造は、

I like to show a nightmare
=俺は悪夢を見せることが好き
⇒悪夢を見せてやるのが好きなんだ

after I show someone a good dream.
=誰かに良い夢を見せた後で
⇒幸せな夢を見せた後で

という二つの文に分けられる形になりますね。

 

日本語と英語で順序が逆になるのが不思議な感じがするかもしれませんが、

英語は結論から言う言語なので、

I like to show a nightmare
⇒悪夢を見せてやるのが好きなんだ

 

という魘夢の気持ちを先に言いたかったから、という風に理解しておくとわかりやすいですね。

 

ちなみに、

「like to show」

動詞が「like=好き」「show=見る」と二つありますが、

「to show」がひとかたまりの「to不定詞」で、

like to show見せることが好き

ということですね(名詞的用法)。

 

ポイント

like+to+動詞の原形=~することが好き

※to不定詞の名詞的用法

 

I love to see the contortions of a human face!
人間の歪んだ顔が大好物だよ堪らないよね

文の構造的には前の文と似ていて、

I like to 不定詞

ではなく、

I love to 不定詞

になっている文でしたね。

 

「like」「love」は、

簡単にいうと「好き」「大好き、愛してる」という違いになるのはご存知の方も多いと思いますが、使い方も同じように使えるわけですね。

likeとloveの違い

like
[動詞]好き、気に入っている、好む
[名詞]好きなこと
[応用]like+to+動詞の原形=~することが好き

love
[動詞]大好き、惚れている、愛してる
[名詞]愛情、恋人
[応用]love+to+動詞の原形=~することが大好き

 

原作の「堪らない」を「love to」で表すのは、なかなかの「意訳」な感じがするかもしれませんが、

ようするにこのシーンは、

魘夢のシュミを本音で語るシーンなんですよね。

 

「love」には「like」にはない「夢中」感があり

それをうまく広告に使っているのが、マクドナルドのアレです。

 

そして、

魘夢のそのシュミへの思い入れの大きさを、

like to show a nightmare after I show someone a good dream.
幸せな夢を見せた後で悪夢を見せてやるのが好きなんだ

から、

love to see the contortions of a human face!
人間の歪んだ顔が大好物だよ堪らないよね

 

というように、

「like」→「love」と似た表現でくり返すことで、

悪夢を見せることへの「like」に、

さらに歪んだ顔を見ることへの「love」が足される、という形で表しているわけですね。

そうやって、「堪らないよね」という魘夢のサイコな価値観を表現しているわけです。

 

ちなみに全体の訳は、

文を細かく切るスラッシュリーディング(英語の呼吸拾壱ノ型)で考えて、

I love / to see / the contortions / of a human face.

I love=俺は大好きだ
to see=見ることが

the contortions=ゆがみ
of a human face=人間の顔

となるので、

I love to see the contortions of a human face.
=俺は歪んだ人間の顔を見るのが大好きなんだ
(原作)人間の歪んだ顔が大好物だよ堪らないね

となるわけですね。

 

英単語

contortion
[名詞]顔を歪めること、とてもねじること、ねじれ、ゆがみ

 

To gaze upon someone struggling with their grief and suffering- so much fun!
不幸に打ち拉(ひし)がれて苦しんで踠(もが)いてる奴を眺めてると楽しいでしょう

日本語自体が難しい表現なので、

英語でも見慣れない単語が並んだ文でした。

長いので、これもスラッシュリーディングで文を斬ってみていきましょう。

To gaze upon / someone struggling / with their grief and suffering /- so much fun!

 

To gaze upon

先頭の、

To gaze upon
=じっと見ること

は、これも「to不定詞」ですね。

 

「gaze」だけでも「見つめる」という意味がありますが、

後ろに続く前置詞「at」「into」「upon」などによってやや意味が変わり、熟語のようになっています。

英熟語

gaze upon
=熱心にじっと見る、じろじろ見る、眺める

「upon」「on」のかしこまった表現で(フォーマル)、わりと会話で使われる単語ですね。

 

なので意味的には「gaze on」を使ってもよいのですが、

今回は丁寧な話し方をする(ように見せかける)魘夢の雰囲気を出すために採用されたのかもしれませんね。

 

someone struggling

そしてその「To gaze upon」の対象(目的)が、

someone struggling
=もがいている奴(誰か)

ですね。

 

「struggling=もがいている」は、

動詞「struggle*=もがく」の「ing」形(現在分詞=形容詞)ですね。

(アニメ化される『灼熱カバディ』でしか見たことない単語ですが)

 

英単語

struggling
[形]もがいている、必至の、困窮している

 

通常、形容詞は名詞の前につきますが、

名詞が「some-」「any-」などの場合は、形容詞が後ろにつくルールがあります(後置修飾)。

なので今回は、「someone struggling」になっているんですね。

 

with their grief and suffering

そしてその「someone struggling」の様子を表す(修飾する)のが、

with their grief and suffering
=悲嘆や苦悩

ですね。

 

「with」は「~と一緒に」という訳がありますが、

イメージとしては「付随する」という感じで、表情などを表現するのにも使えます。

様子を追加する「with」

「with ○○」で、表情や様子を追加できる

[例文]Shinobu is angry with a smile.(笑顔で怒るしのぶ)

 

今回は笑顔と反対の、

英単語

grief
[名詞](深い)悲しみ、悲嘆、悲痛

英単語

suffering
[名詞]苦しみ、苦悩、苦痛

という二つの名詞が並んでいましたね。

(「suffering」は「suffer=悩む、苦しむ」の動名詞)

 

なお、「grief」は、

最近日本でも、突然大切な人を亡くした深い悲しみのことを「グリーフ」、そのケアのことを「グリーフケア」と言ったりしていますが、それくらい深い悲しみ、不幸に「打ち拉がれている」ということですね。

 

so much fun!

そして最後に来ているのがこの、

so much fun!
=とっても楽しいよね!

 

実はこの長い文、「動詞」を一つも使わないで自分の気持ちを表現しているわけですが、

楽しくて楽しくて仕方がないよね!

というのがこの、「so much fan」です。

 

英熟語

so much fun
=とっても楽しい、凄く楽しい

[例文]It was so much fan!(とっても楽しかったよ!)

この例文のように、普段は明るい話の時に使う表現ですが、

それを、

人(someone)が、

深い悲しみ(grief)
苦悩して(suffering)

踠(もが)いてる(struggling)

さまを

じっと眺めること(To gaze upon)

「so much fan」なんて、とんだクソヤローですが、

それが魘夢という鬼の、人でなしな部分をよく訳した英訳だったと思います。

 

To gaze upon / someone struggling / with their grief and suffering /- so much fun!
=じっと眺めること / 踠いてる奴 / 悲嘆や苦悩で /とっても楽しいよね
=悲嘆や苦悩で踠いてる奴を眺めることは、とっても楽しいよ
(原作)不幸に打ち拉(ひし)がれて苦しんで踠いてる奴を眺めてると楽しいでしょう

 

 

今日のまとめ

英語は、基本的に反復を嫌うので「代名詞」をよく使う言語ですが、

逆に言うと、同じ形の文をくり返すことで、意味を強化する、という一つの例でした。

 

なお、今回のセリフは

絶対に学校で教えてくれない、サイコパスのセリフの英文でしたが、

難しい言葉を使うのは日本語でも英語でも変わらないんですね。

 

頭がいいサイコパスには気をつけましょう!

 

今日の言葉

I must say... I like to show a nightmare after I show someone a good dream.
本当は 幸せな夢を見せた後で悪夢を見せてやるのが好きなんだ

I love to see the contortions of a human face!
人間の歪んだ顔が大好物だよ堪らないよね

To gaze upon someone struggling with their grief and suffering- so much fun!
不幸に打ち拉(ひし)がれて苦しんで踠(もが)いてる奴を眺めてると楽しいでしょう

※音声は合成です

 

今日のテキスト

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