来週金曜日からいよいよ、煉獄さんが主人公かのように目立っている『劇場版 鬼滅の刃』が始まります。
ということで今日からは、煉獄さん関連を中心に、英語を、ネタバレにならないようにご紹介していきます!
今回はこの、「炎の呼吸」「炎柱」を『鬼滅の刃』英語翻訳版のネイティブ英語でどう訳された?という問題です。
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では、それが「炎の呼吸」だったら??
そして、柱だったら?
ということで今回の問題。
問題
火の呼吸=Fire Breathing
炎の呼吸=( )Breathing
炎柱=( )Hashira※
ヒント:fireじゃない同じものが入ります!
※ちなみに「柱」は固有名詞として使うので、英語で柱を意味する「pillar」ではなく、まんま「Hashira」。固有名詞なので大文字スタート表記にしています。
答え
正解
火の呼吸=Fire Breathing
炎の呼吸=Flame Breathing
炎柱=Flame Hashira
「flame」が正解でした!
「炎の呼吸」を「火の呼吸」と呼んではならない、との言葉通り、英語でも「炎」と「火」は別の言葉で表現されていました!
解説
それぞれの単語の意味をしっかり学びましょう。
今回の英単語
英単語
〔名詞〕火、炎、火事、火災、たき火、ヒーター、砲火、射撃、攻撃、熱気
〔動詞〕発砲する、発射する、投げつける、クビにする、浴びせかける、焼く
英単語
〔名詞〕炎、火炎、炎色、情熱、熱情、恋人
〔動詞〕赤らむ、火照る、燃え上がる、情熱を燃やす、火にかける、攻撃する
名詞でもあり、動詞でもあるというのが英語らしいですね!
よく、戦争映画とかで「Fire!」とか言ってるのは、「火花をぶっ放せ⇒撃て」という意味で使われている動詞なんです。
「fire」と「flame」の違い
「火の呼吸」と「炎の呼吸」は違う、とのことでしたが、「fire(ファイヤー)」と「flame(フレイム)」の違いは一体なんでしょう?
いずれも名詞と動詞にもなりましたので、似たような感じで使える気もします。
実際、先ほど上げた英単語そのものの意味を見比べてみると、「fire」と「flame」それぞれに、「炎」という意味があるのが気になるところです。
ファンタジーゲームにもどちらも出てきます。
「flame(フレイム)」の方が燃えているイメージですか?
メラメラ燃えるのが「flame(フレイム)」なら、キャンプファイヤーとか言いますが、あれも本当はキャンプフレイムじゃねーのと。
そこで、「fire」と「flame」が、実際にどういう時に使われる言葉なのかということを比較してみました。
比較
a blanket of fire(一面の炎)
a forest fire(森林火災)
a candle flame(ロウソクの炎)
a flame of anger(怒りの炎)
これはいずれもウィズダム英和辞典の例文ですが、「fire」なのに「炎」と訳されることもありますが、なんとなく、なんとなくですが、「fire」と「flame」の違いが見えてきますね。
これをもうちょっと突っ込んで、英英辞典で調べてみましょう。
すると、「fire」の項目に、衝撃の文字が飛び込んできます。
「fire」の名詞の項目の説明に、「flames that destroy things(物を壊す炎)」「flames for heating/cooking etc(温めたり料理する等のための炎)」のように、「flame」の複数形がズバッと使われているんです。
「fire」という現象は「flame」という要素が引き起こすんだよ、ということですね。
実際、「flame」の項目にはこんなことが書いてあります。
hot bright burning gas that you see when something is on fire(何かを火にくべた時に熱くて明るく燃える気体部分)
そもそも、物が燃えることはなく、科学的には「気体(酸素)が燃える」というのが正解です(「gas」はガスではなく気体の意味)。
この辺はマイケル・ファラデーの『ロウソクの科学』を読むと子どもでもわかるように書いてあるので、この機会にこの科学的名著に触れるのがオススメです笑。
ちょっと脱線しましたが、そのまさに化学反応が起きて燃えている部分のことを「flame」と言うのです。
だから、英語で「火事」のことを「fire」と言い、「flame」とは絶対言わないわけです。
「火」と「炎」の違い
このように、英語では、「flame(炎)があって、fire(火)になる」という感じですが、日本語ではどうでしょう?
日本語(特に漢字)の感覚だと、「火が二つ集まって炎」という覚え方をしますので、炎は火よりも大きいもの、というイメージがありますね。
しかし、辞書で調べると、そもそも「炎」というのは「ほのお=火(ほ)の穂(ほ)」のことで、「火」全体の先っぽの明るくメラメラと燃えている部分のことを指すんです。
そう考えると、漢字のイメージで「火がたくさん集まる」というのはちょっと違うよと。
むしろ、「火」の上に「火」が載っていて、まさにその「上の火」、「たき火」の上でゆらゆら揺れているものが「炎」と理解するとわかりやすいかもしれません。
炎の呼吸=Flame Breathing、炎柱=Flame Hashira
そもそも、『鬼滅の刃』の呼吸法、特に基本と呼ばれる五つの呼吸(炎・水・風・雷・岩)は、おそらく古来から物質を構成する「要素」が、「火・水・木・金・土」だと考えられていた「五大元素」という考え方から来ているのでしょう。
それを考えると「炎の呼吸」ではなく「火の呼吸」としてもいいような気がしますが、鬼滅の世界観では「火」という言葉は、後に登場する「日」という言葉と音が同じなため使ってはいけないということになっていたので、「火」ではなく「炎」となったのでした。
とはいえ、英語にしたら別に音は同じじゃないので、本当に「fire=火」「flame=炎」でいいのか?
という気もしますよね。
でも、先ほども言ったように「flame」は「fire」を構成する「要素」であると考えると、「fire」よりも「flame」という呼吸の方がやっぱりしっくりきますよね。
まぁ、純粋に「火=fire」「炎=flame」と単純に訳しただけかもしれませんが、「flame」というのが、メラメラ燃えている炎の先(flame)そのものであって、燃えている状態(fire)じゃないとすれば、煉獄さん含め、炎柱のマントや刀の鍔(つば)のデザインが、あのようなものになっているのも「flame」らしくていいんじゃないかと思いませんか?
今日のまとめ
「fire=火」と「flame=炎」でおぼえてもいいですが、そもそもそれらの意味をしっかり理解しておけると、使い間違いが減るのでなおベストです!
まぁ、「炎の呼吸」のように、炎そのものを扱う使い手が炎柱ということですから、そういった「炎=flame」とおぼえてもいいですね!
今日の英単語
炎の呼吸=Flame Breathing
炎柱=Flame Hashira