『鬼滅の刃』名シーンでわかる英文法

鬼滅の名シーンでわかる「比較表現①」~比較級~

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英語でもっとも理解しやすい単元の一つが「比較表現」です。

 

それまで、英語の授業についていけていない子でも、

比較級などは割とすんなり理解できたりするものです。

 

しかし、

それはあくまでも「パターン化」された穴埋め問題に限られ、

実際の英文読解や英作文で戸惑うことが多いのも現実です。

 

そこで今回は、

『鬼滅の刃』英語翻訳版から、比較表現の中の「比較級」について、学んでいきたいと思います。

 

 

そもそも、比較表現とは?

比較表現は、

「あるものと比較してどうなのか」ということを表す表現なので、

使える品詞は基本的に、

見た目や状態を表す「形容詞」
様々なものを修飾する「副詞」

のみに限られた表現です。

 

ですから、比較表現を使いこなすためにはまず、

「形容詞」と「副詞」をわからないといけません。

 

「形容詞」や「副詞」の働き

結論から言ってしまうと、

形容詞⇒名詞を修飾
副詞⇒名詞以外を修飾

というのが英語のルールです。

 

特に形容詞は、

様子を表すのによく使われる表現で、

Tamayo is a beautiful demon.
=珠世は美しい鬼だ

というように、修飾する名詞の前に置かれる使い方が一般的です。

 

他にも、

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.2

愈史郎

Lady Tamayo is beautiful again today.
珠世様は今日も美しい

の「beautiful」のように、

文を構成するメイン要素(文法用語では補語)として使われることもあります。

 

こういったことをわからないまま、

比較級をテンプレ通りにやってると、

応用が利かなくなりますので、注意が必要です。

 

 

「比較級+than」の表現

比較表現でもっともわかりやすいのが、

この「比較級+than」です。

 

しかし、

実はいろんなバリエーションが存在するので、

読むのは簡単だけど、書くのが難しかったりするものです。

 

比較級「-er+than」

比較級は、文字通り何かと比較した表現です。

学校では、

「比較級+than~」で「~より○○」という風に習いますね。

 

ただ、

使う形容詞・副詞によって、若干表現が異なりますので気をつけましょう。

 

たとえばこちらのシーン。

我妻善逸

It's colder than the middle of winter!
真冬の川よりも冷たいんですけど
※the middle of winter=冬の真ん中⇒真冬

I could die!
死ぬわ!!

「冷たい=cold」という形容詞の語尾に「-er」をつけて

「比較級」という形にします。

 

そして、

比較対象である「真冬(の川*)=the middle of winter」の前に、

「than」という前置詞を置いていました。

*英文に「川=river」という単語がないのは、「It」に川の意味が含まれているから

 

これが比較級の基本的表現で、

短い形容詞であればたいがい、この方法で比較級の文が作れます。

(後ろに文が来る場合は「than」は接続詞になる)

 

ただ、

動詞で語尾が「-s」になったり「-ies」になったりするように、

単語によって語尾が変化するので要注意です。

「-er」になる形容詞・副詞の例

【形容詞の例】
cold(寒い)⇒colder
big(大きい)⇒bigger
tall(高い)⇒taller
easy(簡単)⇒easier
hard(固い)⇒harder

【副詞の例】
fast(速く)⇒faster
soon(すぐに)⇒sooner
hard(熱心に)⇒harder

「hard」は何にかかるかによって品詞が変わりますので注意です。

 

比較級「more+than」

英語のやっかいなところは、

同じ比較級の表現なのに、

単語によって書き方が変わるときですね。

 

例えばこちらの、単行本第3巻で、

善逸が伊之助にボコられながら、禰豆子の入っている木箱を守り抜いたシーンから。

我妻善逸

Because you said it was more important than your own life.
お前が…これ…命より大事なものだって…言ってたから…
※your own life=お前自身の命

「大事な=important」という形容詞を使っていますが、

importanter

とはせず、

more important

となっていますね。

 

長い形容詞・副詞*はこのように、

語尾の「-er」変化はなく、「more」をつけて比較級にします
*副詞の場合は語尾が-lyのものは短くても「more」

「more」になる形容詞・副詞の例

【形容詞の例】
important(重要)⇒more important
beautiful(美しい)⇒more beautiful
difficult(難しい)⇒more difficult
popular(人気の)⇒more popular

【副詞の例】
carefully(注意深く)⇒more carefully
easily(簡単な)⇒more easily

 

ちなみに、

なんでこんな面倒くさいことをするのか?

詳しくは下記リンクに記載がありますので、気になる方はチェック!

 

「more than」

これまで、

形容詞や副詞を「-er」にしたり「more」をつけたりした比較級のお話をしてきましたが、

間に形容詞も副詞も何も入れない「more than」という使い方があります。

 

状態の比較ではなく、

単純な比較をする時に使う表現で、

「more than ~=~より上」という意味になります。

鬼舞辻無惨

Nakime, you have grown more than I thought.
鳴女、お前は私が思った以上に成長した

That's wonderful.
素晴らしい

こちらも単行本16巻第143話のシーンですが、鬼舞辻が珍しく部下の鬼(鳴女)を褒めているシーンです。

(パワハラ会議で有名ですが、自分の望み通りの働きをする鬼には優しい)

 

比較対象は他の誰かではなく、

鬼舞辻が思っていたこと(=I thought*)ですので、
*thinkの過去形

more than I thought
=私が思っていた以上だ

という使い方をしているわけですね。

 

「more than」はこのように後ろに文が来るばかりじゃなくて、名詞や数字が来て、

more than 90
=90より上

というような使い方もできます。

 

注意点は、

「比較級+than」の表現の通り、

本当は「以上(=それを含む)」じゃなくて、

「より上(=それを含まない)」というところです。

 

 

「than」のない表現

このように、

「than」を使う表現は、比較対象が明確な場合でした。

 

しかし、

あまり学校では取り扱いませんが、

「than」以降がない(省略されている)比較表現もあります。

 

なぜなら、日本語でもそうですが、

会話上「than(~よりも)」が必要ないこともあるからです。

 

「比較級」の後に「than」が来ない文

比較級は形容詞や副詞の活用バリエーションの一つです。

 

ですので、

通常の形容詞や副詞の位置に置かれます

 

こちらのシーンを見てもらいましょう。

岩柱の元で、岩を押すトレーニングを課せられたことを愚痴る善逸をなだめる炭治郎。

竈門炭治郎

No, I've heard he can push even bigger rocks.
いやいや 悲鳴嶼さんはあれよりもまだ 大きい岩を押してるそうだから
※even=[副詞]さらに

比較級「bigger」の後に「than」が来ない文でしたね。

 

ちょっと長いので、

わかりやすくするために、文をスラッシュリーディングで斬ります。

No, / I've heard /he can push even bigger rocks.

そしてこの、三番目の文に注目して、さらに

he(彼は)⇒主語
can push(押せる)⇒述語動詞
even bigger rocks(さらに大きな岩)⇒目的語

という風に分けます。

 

こうすると、

「bigger(大きな)」が後ろの名詞「rocks(岩)」を修飾しているのがわかりやすいですね。

 

「比較級+名詞」の表現

なんでこんな表現になっているかというと、

悲鳴嶼さんが押している岩の大きさにヒミツがあります。

 

炭治郎たち一般隊士が押している岩は、

普通に考えたら人間が押せないような「大きな岩(big rock)」です。

 

でも、悲鳴嶼さんの押せる岩は、

炭治郎たちが押すべき岩よりも「さらに(even)」、

「より大きな岩(bigger rock)」なんです。

 

つまり、

「rock=岩」という「名詞」を、

「big=大きい」という「形容詞」ではなく、

「bigger=より大きな」という「形容詞の比較級」で修飾しているわけですね。

吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第16巻&『鬼滅の刃公式ファンブック鬼殺隊見聞録』(集英社)より制作

 

意外な「more」の使い方

他にも、

比較級をまんま形容詞として使う表現はこんなのがあります。

 

単行本6巻、無限列車編に繋がる「無限城」にて、

ちょっと長いですが、鬼舞辻無惨が下弦の壱の鬼、魘夢(えんむ)に血を分け与えた後のセリフから。

鬼舞辻無惨

If you also kill the Demon Slayer with earrings that look like Hanahuda Cards, I will give you more blood.
耳に花札のような飾りをつけた鬼狩りを殺せば、もっと血を分けてやる
※the Demon Slayer=鬼狩り

最後の部分、

「more」の後に形容詞や副詞が来ず

「blood=血」という名詞が来ていますね。

 

これは、

ここでの「more」自体が、

「much=大量の」という形容詞の比較級として使われているからです。

(「more+形容詞・副詞」の時の「more」は副詞)

 

このシーンは、すでに、

大量の血(=much blood)を投与された後のセリフなので、

炭治郎を殺したら、

それより多くの血(=more blood)をあげるよ、という話なので、

「more」を形容詞として使っているんですね。

 

この辺、色々とゴチャゴチャしがちですが、

後ろに何が来るかで使い方が変わる、ということですね。

ポイント

副詞の「more」
⇒形容詞や副詞を修飾して比較級になる
〔例文〕Tanjiro said it was more important than him own life.(炭治郎はこれを自分の命より大切だと言っていた)

形容詞の「more」
⇒名詞を修飾する「many(数が多い)」「much(量が多い)」の比較級
〔例文〕I will give you more blood.(より多くの血を与えよう)

 

比較級単体で終わる表現

学校英語は「文章」ベースなので、

「than」が入る正規表現を習いますが、

会話やネイティブ向けの書物では、毎回毎回「than」が書いてあるわけがありません。

 

例えばこちら、

単行本1巻の第2話で、禰豆子を買い取ったカゴに入れようとしたシーンですね。

竈門炭治郎

Smaller. Nezuko. Get smaller.
小さく 禰豆子 小さくなれ

「小さい=small」という形容詞を、

「smaller」という比較級にして言ってますが、

それは「(今の姿より)小さく」なってほしいからですよね?

 

だから、

今の姿と比較していることは明らかで「than」を使う必要がないので、

「smaller」だけで成立するのです。

 

他にもこういった物があります。

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.6

「上弦」の鬼のことを英語で「Upper」、

「下弦」の鬼のことを「Lower」と言いますが、

それぞれ「up=上の」「low=低い」という形容詞の比較級です。

 

何と比較しているかというと、

「十二鬼月」という鬼の幹部の中の、

「上部=Upper」「下部=Lower」rank(階級)としているわけですね。

 

通常の形容詞として使うものを「比較して強調」するために、

比較級にしているのです。

 

 

以上のように、

「than」を使わない比較級は、

比較対象を言わなくてもわかるから「than」を使わない、ことということなんですね。

 

 

比較級の文は、動詞も大事

be動詞を使う時

比較級は基本的に多くが「形容詞」ですから、

よく使われる動詞は、状態を表す「be動詞」です。

 

It's colder than the middle of winter!
真冬の川よりも冷たいんですけど

Because you said it was more important than your own life.
お前が…これ…命より大事なものだって…言ってたから…

いずれも、be動詞を使っていますよね?

 

それは、

比較級を使わない場合でも、

It's cold.(寒い)
It was important.(大切だった)

のように、「be動詞+形容詞」で使う単語だからですね。

 

つまり、

状態を比較したい場合は「be動詞」を使う、ということです。

 

一般動詞を使う時

逆に、

変化を伴うもの、動きを伴うものを比較したい場合は「一般動詞」を使う傾向があります。

 

特に多いのが、

Smaller. Nezuko. Get smaller.
小さく 禰豆子 小さくなれ

でも使われた「get」ですね。

 

「get」は、

「~になる」という意味の動詞で、

「get+比較級=より○○になる」

という感じにできるため、比較表現ととても相性がよく、非常によく使われます

(become、growなど、変化を表す動詞はそうです)

 

こちらはその応用シーンです。

岩柱の元での柱稽古で、岩を押す修行で成果が出ずに、仰向けに倒れて途方に暮れる炭治郎の顔をのぞき込んできた玄弥の一言。

不死川玄弥

Is the mark on your forehead getting darker?
お前 額の痣(あざ) 濃くなってないか?
※mark=あざ、forehead=額、dark=濃い

「濃い=dark」の比較級、「darker」を使った文で、

後ろに「than before.(以前よりも)」が省略されていますね。

 

「get+dark=濃くなる」ですが、

「getting」にすることで、より今起こっている感を出して、

「濃くなっている」という意味になっています。

 

そして「dark」は形容詞ですので、比較級を使わずに、

Is the mark on your forehead getting dark?

とすることも可能です。

 

しかしこれだと、

「(今まで気にならなかったけど)濃くなっている」という意味にりますが、

玄弥が言いたいのはあくまでも、

「(以前と比較して)濃くなっている」ということだから、

「getting dark」じゃなく、

「getting darker」という比較級を使っているんですね。

 

こうすることで、原作の玄弥が、炭治郎の痣を見ていた関係ならではのセリフの雰囲気を出せるのです。

 

 

まとめ

「比較級」は、

「級」とついているように、通常の使い方の「バージョンアップ」版です。

 

なので実際には、

時透無一郎

You're faster than before, Tanjiro!
炭治郎さっきより速くなってるよ
※fast=[形]速い

Make your muscles' transition from tense to relaxed smoother!
筋肉の弛緩と緊張の切り替えを滑らかにするんだ
※smooth=[形]なめらかな、スムース

Good! Like that!
そうそう

That way your physical strength will last longer!
そうしたら体力も長く保つから
※long=[形]長く

このように、

いろんな使い方をされるのが現実です。

 

ですから、テスト対策として

「教科書通りの比較級の文」

をパターン暗記しておぼえることも大事かもしれませんが、

 

形容詞や副詞を使った修飾の、一つのバリエーションが「比較級」

ということを理解しておくことが、より高度な英文理解の助けになる、ということですね。

 

形容詞・副詞の「比較級」

【比較級の作り方】

短い単語
語尾に「-er」をつける
〔例文〕Get smaller.(小さくなれ)

長い単語*
単語の前に「more」を置く
*音節が3音節以上の場合
〔例文〕That is more important than my life.(あれは俺の人生より大切なものだ)

【比較級の文法】

比較対象を言う場合
比較級の後ろに「than」をつけて、比較対象を言う
〔例文〕You're faster than before, Tanjiro!(炭治郎さっきより速くなってるよ)

形容詞・副詞として使う場合
比較級に変えて、通常と同じように使う
〔例文〕Himejima can push even bigger rocks.(悲鳴嶼さんはあれよりもまだ 大きい岩を押せる)

 

続編はコチラ

鬼滅の名シーンでわかる「比較表現②」~最上級~

今回は、 「比較表現」シリーズの第2弾、「最上級」です。   「比較表現」とはそもそも何かという話もありますので、 前回の第1弾「比較級」をご覧になっていない方は、 まずはそちらをご覧くださ ...

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本日の教材

今回使ったメイン教材はこちら、

特に、この中の「第143話」は、

柱稽古の中でも、鬼殺隊最強の悲鳴嶼さんの所での修行のシーンですが、

内容的にとても比較表現が出てくるオススメの回ですよ!

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