『鬼滅の刃』名シーンでわかる英文法

鬼滅の刃の名シーンでわかる「前置詞のto」と「不定詞のto」の違い

スポンサーリンク

我々日本人が英語を勉強していて困るのが、

「前置詞」ですね。

 

しょっちゅう出てくる割にガッツリ学ぶことはないだけに、

「of」と入れなきゃいけないところに「is」を入れたり、穴埋め問題も適当に埋める子も少なくありません。
(かくいう私も記憶&フィーリングで埋めてました)

 

今回はそんな、

前置詞の代表格「to」と役割と、
不定詞に使われる「to」の違いを、

いつものように『鬼滅の刃』英語版を使って解説していきます!

 

前置詞「to」とは?

「to」は、もっとも有名でわかりやすい前置詞の一つです。

「前置詞」という言葉がわからなくても、「to」のことを知らない子はまずいませんよね。

 

しかし、

じゃぁ「to」って何?って言われると、困ってしまう人が多いのが現実ではないでしょうか?

 

「go」といえば「to」

I go to school by bus.(私は学校へバスで行きます)

という例文があるように、「goの後はto」のすり込みはハンパないですよね。

今何かと話題の「GoToトラベル」とか「GoToイート」も、(表現は微妙と言われていますが)そのすり込みを利用したキャンペーン戦略です。

 

とはいえ、

実際に「go to」として使うことが多いから、それをおぼえているわけです。

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.17

(このシーンの英訳の解説はこちら

 

しかし、じゃぁ、

「この場面は to か of か?」

という問題をスムーズに解けるかといったらそんなことはありません。

 

英語には「want to」とか「make to」とか「in order to」とか「to」を使ったものの他、「be afraid of」「make from」など、単語の組み合わせが実に多い上、「前置詞」というテーマで学ぶことがないからですね(中学生は特に)。

だから、

「go to」はおぼえられても、

その他の「○○ to」とか「to ○○」とか、おぼえきれないんですよね。

 

前置詞「to」の使い方

そもそも、

前置詞は「名詞」のく品です。

 

この「前置詞は名詞の前」ということをイマイチよくわかっていない子が多いです。

 

前置詞「to」も当然、名詞の前に置きます。

例えばこちら、大ヒット上映中の劇場版『鬼滅の刃~無限列車編』にもあった冒頭シーンから。

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.7

煉獄杏寿郎

My bright red flame blade will burn you to the bone!!
この煉獄の赫き炎刀がお前を骨まで焼き尽くす!!


(このシーンの英訳の解説はこちら

こちらは「to the bone(骨の髄まで)」と、「the bone」という名詞の前に置かれていますね。

これが前置詞の使い方です。

 

あとはその状況にふさわしい前置詞を選べばいいだけなんですが、それが難しかったりするのです。

 

前置詞「to」の役割

では、どういった状況で前置詞「to」を選べばいいか?

よくあるのが「to=~へ、~に」という日本語訳から考える方法です。

 

しかしそのやり方だと、

先ほどの煉獄さんの例の「骨まで」ならなんだっけ?となったら終わりです。

 

そもそも、

日本語には「前置詞」がありません。

「は」「が」「へ」「に」などは「助詞」と言い、前置詞とは異なるものです

 

そのため、

最近の英語学習のトレンドとして、前置詞を「イメージ」でとらえるというのが流行っており、辞書によっては画像でイメージを載せているものも少なくありません。

 

「to」の場合は何かというと、

「→」で到達するイメージす。

 

たとえば、

「I go to school.」なら

「I go →school.」と考える的な感じですね。

 

そうすると、

先ほどの煉獄さんのセリフ英訳のように、「burn」という動詞の後に目的語「you」が付いていても、「お前を焼くこと」そのものが「the bone(骨の髄)」まで徹底的にやるよ、という意味だとわかりやすくなるわけですね。

下はそのイメージです。

このイメージ図を見てわかるように、

「to」は関係を示す「記号」であって、

「to=~に、~へ」というのはあくまでも、日本語で訳したらたまたまそうだった、というだけで、状況に応じて「to」の「和訳は」変わるって事ですね。

ただ、訳がどう変わろうと、「to」の役割自体は変わりません

 

 

to不定詞の「to」

前置詞「to」のことは大体理解いただけたと思いますが、今度は「to不定詞」の「to」です。

「前置詞のto」と「不定詞のto」の違い

「to不定詞」とはなんぞや?

というのはまた別の機会にご紹介しますが、

シンプルに言いますと、

「to+動詞の原形」で、
動詞を説明に使える表現方法
です。

 

実は、

前置詞「to」とto不定詞の「to」の違いは、前置詞の「to」がわかればそんなに難しくありません。

 

百聞は一見にしかずで、まずはこちらのシーンを見てみましょう。

那田蜘蛛山で、炭治郎が大ピンチになったときに颯爽と現れて、間一髪で命を救ってくれた冨岡義勇さんのセリフです。

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.5

冨岡義勇

You did well to hold on until I got here.
俺が来るまでよく堪えた

Leave the rest to me.
あとは任せろ

(それぞれの文は別々に解説しています。一つ目二つ目

このセリフの英訳は、二つの「to」が使われています。

to hold  (on)=持ち堪える
to me=俺に

 

実はこれ、それぞれ「to不定詞のto」と「前置詞のto」なんですね。

「to」の後ろに来る品詞が、

holdは動詞なので「to不定詞」
meは名詞(代名詞)なので「前置詞」

として見分けられるわけですね。

 

二つが同居する文もあります。

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.1

親切な人

To get to Mount Sagiri, you first have to cross that mountain.
狭霧山へ行くならあの山は越えなきゃならないけど…

特に「go」とか「get」とかの場合、to不定詞+前置詞toとなることは珍しくありません。

 

この場合は「to get to Mount Sagiri=狭霧山行くために」と訳せるわけですが、それは、「to」の後ろに来る品詞に合わせて和訳が変わるからです。

不定詞:to get=たどり着くために*
*副詞的用法
前置詞:to Mount Sagiri=狭霧山へ

英語のせいではなく、日本語と英語の違いからそうなるのです。

 

見分け方は超カンタン!でも注意!

このように同じ「to」を使っていても、

それが「前置詞のto」として使われているのか、「to不定詞のto」として使われているのか、「to」の後の単語がわかれば、どちらなのかわかります。

 

動詞が来れば「to不定詞」名詞が来れば「前置詞」というわけです。

それがわかれば、訳しやすくなりますよね?

(もちろん、to不定詞がわかっていればですが…)

 

ただ、

これはあくまでも「基本」がそうなだけであって、そうじゃない文章に遭遇した時がやっかいなんですね。

 

例えばこちらのシーン。

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.1

鱗滝左近字

I didn't intend to send you to final selection.
お前を最終選別に行かせるつもりはなかった

※intend=[動詞]するつもりだ

炭治郎にどの弟子よりも大きな岩を斬れという試練を与えた真意を語る鱗滝さんのシーンで、

こちらも「to」が二つ使われております。

 

最初の

to send=送り出すこと

は「send」が「送る」という意味の動詞なので「to不定詞」というのはわかりやすいですが、次ですね。

 

to final selection=最終選別に

は、「to」の後は「名詞」ではなく、「最終の」という形容詞「final」ですが、その後の「selection=選考」が名詞だから、「final selection=最終選別」という一つの大きな名詞としてとらえるんですね。

このように、ひとかたまりで名詞になるものを「名詞句」と言います。

 

これは、「a ○○」のように冠詞をつけたものにも言えますし、「my ○○」のように代名詞をつけたものにも言えます。

先ほどの煉獄さんのセリフにあった「My bright red flame blade(この煉獄の赫き炎刀)」も、名詞句ですし、冠詞をつけた「the bone(骨の髄)」も名詞句です。

教科書英語では、こういう「名詞句」の取り扱いをサラッと流すので、「to」をつかみきれない子も多いのです。

 

いずれにせよ大事なのは、

前置詞のto

「to」の後で、先に「名詞*」が来れば、それは「前置詞のto」

*代名詞(me、that等)、動名詞(~ing)を含む

ということになるのです。

 

「to+動詞の原形」とは限らない?

「to不定詞」も、

「to+動詞の原形」とは言いつつも、「to」の後に動詞の原形が入らないこともあります。

これは高校英語以上の内容ですが、ついでなんで「こんなこともあるんだ」と思っておいてもらえば。

 

使用しているシーンはこちら。

機能回復訓練に初めて参加した善逸が、天国なのに地獄のような顔をしていた炭治郎と伊之助に、「ちょっと来い」と言ったのについて来なかったことにガチギレしたシーンです。

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.6

我妻善逸

I'm telling you to just come with me!
いいから来いって言ってんだろうがアアア!!

※I'm telling you=言っているんだ

こちらは「to」のすぐ後に「just=すぐに」という副詞が来ていますが、その後に来ているのが「come」という動詞の原形ですね。

to just come=すぐ来ること

という意味になる「to不定詞」なんですね(分離不定詞と言います)。

特に副詞はどこにでも登場するので、「副詞はほとんどの場所に置けるんだ」とさらっと流されがちで、いてもいなくても一緒扱いされますが、知らない人が見たら、「to不定詞」なのかどうか迷いますよねぇ。

 

まして、

「be going to+動詞の原形」とか
「be able to+動詞の原形」とか
「have to+動詞の原形」とか
「want to+動詞の原形」とか

いろんな「to+動詞の原形」をおぼえさせられますからね(実はこれ全部不定詞なんですけど)。

そこに副詞が入っていることに気づかずに、「to」のすぐ後に名詞も動詞も来なくて「あれ?」ってなっている人、そもそも「to」がなんなのかわからなくなっている人も少なくないです!

 

あくまでも、

前置詞のtoとto不定詞のto

「to」の後で、先に「名詞」が来れば、「前置詞のto」
〔例〕My bright red flame blade will burn you to the bone!!
(この煉獄の赫き炎刀がお前を骨まで焼き尽くす!!)

「to」の後で、先に「動詞」が来れば、「to不定詞のto」
〔例〕I'm telling you to just come with me!
(いいから来いって言ってんだろうがアアア!!)

という基本を忘れないようにしましょう!!

 

 

本日のまとめ

「前置詞to」でも「to不定詞」でも、

それでも、すぐ後に「名詞」や「動詞の原形」が来ないこともありますが、それでも、

「to」の後にはどこかに必ず「名詞」か「動詞の原形」が来るので、

そこを見つけられれば「to」の付いた文を理解するのは難しくなくなりますよ!

 

ちなみに「前置詞のto」と「to不定詞のto」は、同じ「to」なのになぜ違うのか?・・・という話はまた不定詞の時に!

 

本日の教材

-『鬼滅の刃』名シーンでわかる英文法
-, , , , , ,

© 2024 鬼滅の刃で全集中・英語の呼吸!!