公式twitterの、
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』のBlu-ray&DVD発売記念カウントダウンの便乗企画。
発売まで残り34日です。
ここでは、
毎日更新されるカウントダウンと一緒に出てくる各キャラのセリフが、
鬼滅英語版『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba』で、
どう英訳されているのか?
というご紹介をしながら、
わかりやすく英語の文法解説をしていきます!
目次
本日のセリフはこちら!
【あと34日】
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』のBlu-ray&DVD発売を記念したカウントダウン。発売当日まで紡がれる全38日間。お楽しみいただけますと嬉しく思います。
「こっちこっち!!」https://t.co/DAjvqcnImj#鬼滅の刃 pic.twitter.com/kSgbnLuAtx
— 鬼滅の刃公式 (@kimetsu_off) May 13, 2021
この、「こっちこっち!!」を
『鬼滅の刃』英語翻訳版のネイティブ英語でどう訳された?という問題です。
収録は原作・英語版共に単行本7巻です。
問題
こっちこっち!!
The peaches over here are delicious!
こっちの桃がおいしいから
※over here=あちら側
And there's lots of white clover blooming!
白詰草(シロツメクサ)もたくさん咲いてる
※white clover=シロツメクサ、blooming=咲いている
選択肢(同じものが入ります。)
①come
②go
③this
④that
答え
正解
こっちこっち!!
The peaches over here are delicious!
こっちの桃がおいしいから
And there's lots of white clover blooming!
白詰草(シロツメクサ)もたくさん咲いてる
※音声は合成です
③の「this」が正解でした!
解説
This way, this way!!
こっちこっち!!
日本人の感覚だと、
「こっちこっち」なら
「Come on, come on!」になる気がしますが、違いましたね。
「This way」を直訳すると、
this=この
way=道
なので、原作の
「こっち、こっち」
とは、なんか違うような・・・という気がするかもしれません。
「come on」と「this way」の違い
「come on」は、
「come」という動詞を使った「命令文」で、
Come on.
=(こっち側へ)おいで
という意味になります。
(他にもたくさん意味がありますが本日は割愛)
あえて「こっち側へ」というのをつけましたが、
たとえば、
Zenitsu, come on!
=善逸、こっちへ来い!
のように、
離れている所から来てほしい時に使う表現ですね。
かたや「This way」ですが、
命令文でも何でもなく、文字通り
This way.
=こちらの道だよ
という意味になります。
今ここにいる場所から、
「この道を進めば良いよ」と言う時に使う定番の案内表現です。
英熟語
=この道だよ、こちらへ、このように
今回の例文のケースは、
善逸が禰豆子の手を引いて、
自分の修行していた場所であろう桃園の案内をしているわけですから、
Come on, come on!
=こっち、こっち!!
〈意味〉こっち側へおいで、おいで
というよりは、
This way, this way!
⇒こっち、こっち!!
〈意味〉こっちの道だよ、こっちの道
という方が、原作の場面には合うんです。
The peaches over here are delicious!
こっちの桃がおいしいから
先ほどの「こっち」が「come on」にならないのは、
この文があるからというのもありますね。
ここの桃ではなく、
こっち(の向こうにある)桃がおいしい、という案内ですので、
目的地はここ(here)じゃなく、
ここ(here)を超えた向こう(=over)で、
「over here」というわけですね。
英熟語
=こっち、こちら側
なお、「桃=peach」が
The peaches
になっているのは、
善逸の頭の中に描いている特定の桃だから「the」をつけて、
一つとは限らないから「複数形」、さらに単語の終わりが「ch」の場合、「s」じゃなく「es」をつけることになるんですね。
And there's lots of white clover blooming!
白詰草(シロツメクサ)もたくさん咲いてる
接続詞としての「and」から始まる文ですね。
最初は「桃」だけの話だったけど、
更に追加してという意味で「And」を接続詞としても使えるわけですね。
続く文の主語+述語動詞は、
あるものがそこにある時を表す定番表現の、
there's=there is=〜がある
で、そこには、
lots of=たくさんの
white clover blooming=シロツメクサが咲いている
が「ある」ってことですね。
「ホワイトクローバー」というのは花が「ホワイト」だからですが、
「白詰草」よりよっぽどそれっぽいですよね。
なんで「白詰草(シロツメクサ)」?
ちなみに善逸が禰豆子にしてあげようと思っていたように、
シロツメクサは花の輪っかにしやすいように、非常に絡まりやすい草なんですね。
なので、実はこれ、江戸時代には、
オランダから運ばれてきた割れ物の
緩衝材(詰め物)として使われていたんです(乾燥したものをね)。
だから、「白詰草」という名前がつけられました。
その後、明治になって牧草用に大量に輸入され、
もの凄い繁殖力で各地に広がったそうです。
いわゆる「外来種」ですが、
善逸たちがいた大正時代に、その辺に生えている草になっていてもおかしくはなかったでしょうね。
今日のまとめ
「文字」だけで見るとそれっぽいけど、
「意味」で考えると違う、という典型的な例文でした。
今回使った単語は、基本的な語の組み合わせですので、
それぞれの単語の「本質」をしっかりとらえておくと、応用が利く、という例でした!
今日の言葉
This way, this way!!
こっちこっち!!
The peaches over here are delicious!
こっちの桃がおいしいから
And there's lots of white clover blooming!
白詰草(シロツメクサ)もたくさん咲いてる
※音声は合成です