おはようございます!
めっきり寒い週末になりましたね。
所により雪も積もって、
こんな日は背筋が丸まってしまいがちですが、
こんな日こそ、この言葉を胸に頑張りたいですね!
煉獄さんが炭治郎たちに残した名言の一つ、
この、「胸を張って生きろ」を
『鬼滅の刃』英語翻訳版のネイティブ英語でどう訳された?という問題です。
問題
胸を張って生きろ
選択肢
①Go
②Stand
③Live
④Brave
答え
正解
胸を張って生きろ
②の「Stand」が正解でした!
解説
「胸を張って生きろ」なのに、
「胸(chest)」も「生きる(live)」もないため、
一見、まったく違う訳のように見えますが、
詳しく見ていくと実によく訳したなと言うのがわかります。
主語+(述語)動詞
「stand」は、
「stand up=立つ」という意味で有名な一般動詞です。
動詞(の原形)から始まるから、
いわゆる「命令文」と呼ばれるものです。
主語は隠されている「You」です。
「and」で結ばれた「be proud」は、
be動詞の原形+「proud」を持ってきた文なので、
こちらも同じく「命令文」になります。
ポイント
命令文:動詞の原形*から始めることで、命令や指示、依頼をする文。主語はYouとわかるため省略する
*be動詞の場合は「Be+形容詞」
つまり、この
Stand tall and be proud.
という英訳文は、
「stand」と「be」から始まる命令文の並列関係にあります。
ここからは、
なぜか2つに分かれた文を1つずつ紐解いていきます。
Stand tall
今回の文は、「stand」の後ろに、
Himejima is tall.
=悲鳴嶼さんは背が高い
Kanae was delicate, even though she was taller than me.
=姉さんは華奢だったけど、私より上背があった
(Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.16)
Himejima is the tallest in the Hashira.
=悲鳴嶼さんは柱の中で一番背が高い
のように「背が高い」という意味で有名な「tall」がついていました。
ただ、
通常使われる「tall」は、
主に「形容詞」として使われるのに対し、
Stand tall
では動詞の後ろについているので「副詞」として機能します。
(形容詞は名詞の前かbe動詞の後に置く)
英単語
[形容詞]背が高い、高さがある、大げさな
[副詞]偉そうに、背筋を伸ばして
「tall」の副詞の意味に、
「背筋を伸ばして」という意味があるように、
stand(立つ)+tall(背筋を伸ばして)
で、
英熟語
=背筋を伸ばして立つ
⇒堂々とふるまう
という意味になり、
ニュースの見出しや、辞書に例文として載っていることもある定型表現です。
(Walk tallの場合もある)
なお、
ウィズダム英和辞典によると、
ウィズダム英和辞典 第4版
tall(「勇敢な・大きい」>「背が高い」)
という意味合いが強いらしいので、
「tall=背が高い」というよりも、
ぐっと上に伸びたポジティブなイメージが「tall」ということを考えると、
stand(立つ)+tall(グッと上に)
で「堂々とする、胸を張る」という意味もイメージできると思います。
日本語でも英語でも、
背筋を伸ばしている方が自信があって堂々として見える、
というのは面白い共通点ですね。
(さらにそれが、偉ぶっているという意味になるのも同じです)
Be proud
コチラも命令文ですが、
動詞の原形が「be」になっていましたね。
その理由は後ろの「proud」に秘密があります。
英単語
[形容詞]誇りに思う、誇り高い、堂々とした
「proud」は形容詞ですが、
形容詞を最初に持ってきた命令文は不可能なので、
You are proud.
君は誇りに思っている
のbe動詞「are」を原形の「be」にして、
「You」を省略して
英熟語
=誇りを持って、誇り高く
という形の文にした、結構有名な定型表現ですね。
Stand tall and be proud.
胸を張って生きろ
そもそも、
日本語の「胸を張る」というのは、
あくまでも「たとえ(比喩)」であって、
「胸=chest」を使ってムリヤリ同じ表現を使う必要はないんですね。
というのも、
このセリフは、煉獄さんが、
煉獄杏寿郎
竈門少年、俺は君の妹を信じる
鬼殺隊の一員として認める
汽車の中であの少女が、血を流しながら人間を守るのを見た
生命をかけて鬼と戦い、人を守る者は、誰がなんと言おうと鬼殺隊の一員だ
と言ったあとのセリフですよね。
柱合会議で皆から認められなかった、
「禰豆子は鬼だけど人を喰わない」
ということと、
「鬼をかばう人間は鬼殺隊士にふさわしくない」
と思われていることを、
卑屈に思う必要なんかない
(=誇りに思え=be proud)、
俺がこの目で君が言っていることが正しいことを見た、
君は自分は正しいと堂々とするべきだ
(=stand tall)、
だからこそ、
Stand tall and be proud.
=誇りをもって堂々とふるまいなさい
で、「胸を張って生きろ」と言った、
原作の煉獄さんのメッセージを表現しているわけですね。
今日のまとめ
「stand tall」は日本だとあまりお目にかかることはありませんが、
「be proud」は長文問題などでも比較的見る表現ですね。
いずれにせよ、
本質を突くシンプルな文は「見出し」や「名言」に採用されることも多いので、
こういった表現のバリエーションをたくさんおぼえておくとよいですよ!
今日の言葉
胸を張って生きろ