おはようございます!
アニメ『鬼滅の刃』2期・遊郭編、楽しみですね!
「遊郭」という言葉を使うのはけしからん!
という炎上騒ぎもそろそろ落ち着いてきたのではないでしょうかね。
遊郭編という表示の「是非」もそうですが、
それ以上に気になる「子どもにどう説明するか」というのは、
以下の記事に「原作での対応」「英語での対応」も含めてまとめていますのでそちらを読んで頂ければよいかと!
こちらもCHECK
-
「遊郭」とは?意味は?~『鬼滅の刃』英語版から炎上「遊郭」編の扱いを考える
なんだか一部で、 鬼滅の刃「遊郭編」が炎上しているそうですね。 「遊郭」 という言葉を前面に出すのはどうかと。 それに対して、 過激な意見もあるけれども、言われてみれば、た ...
続きを見る
目次
今日の問題!
さて、「鬼滅の刃で全集中・英語の呼吸」本日は、
遊郭編の主人公(的存在)の音柱・宇髄天元(うずいてんげん)による、
「遊郭」よりもよほど問題発言のこちら!
(でもすでにアニメで放映済み)
「ならば俺が派手に首を斬ってやろう 誰よりも派手な血しぶきを見せてやるぜ もう派手派手だ」
というよほどヤバい発言をする、
柱合会議での宇髄の初登場ゼリフです。
これを、『鬼滅の刃』英語翻訳版のネイティブ英語でどう訳された?という問題です。
なお、見たことない方に念のため説明しますが、
この人は主人公側、鬼を狩る組織「鬼殺隊」の幹部で、
隊律違反を犯した主人公・炭治郎を斬首にすべきだという意見があった時に、
このセリフを言ったワケです。
とにかく「派手」という言葉が言いたいだけな気もしますが、
このコマだけ見たら完全にサイコパスですね!
問題
ならば俺が派手に頸を斬ってやろう
選択肢
①out
②by
③off
④in
どの前置詞を選ぶか?という問題です。
答え
正解
ならば俺が派手に頸を斬ってやろう
※ちなみに「音柱」は「Sound Hashira」です。わかりやすいですね!
③の「off」が正解でした!
①の「cut out」は切り取る(怖っ)、④の「cut in」は割り込む、という意味でした!
解説
前置詞について学びましょう!
I'll cut off his head with style!
ならば俺が派手に頸を斬ってやろう
主語が「I」、
(述語)動詞が「cut」
で、
それに意思を表す助動詞「will」の省略形がついて、
I'll cut ○○=俺が○○を斬る
から始まる文でした。
最後の「with style」は、
「俺のスタイル(やり方)で」的な意味で付加されているので、
「with」という前置詞を使っています。
(「派手」という言葉に該当する訳がない理由は別途)
cut off
「cut」という動詞は、
I cut a carrot.
=ニンジンを切る
のように、
後ろに目的語(となる名詞)を必要とする表現(文型は参ノ型)ですが、
今回は後ろに「off」がついて、
I'll cut off his head.
となっていましたね。
「off」は、
「離す」という意味がある前置詞で、
スイッチの「ON・OFF」でよく使われるアレですね。
(ちなみに英語ではturn offとかswitch offとして使います)
「cut」と組み合わせて、
cut off ○○=切る+離す+○○⇒○○を切り離す
という使い方ができます。
英熟語
cut off ○○
=○○を切り離す、関係を絶つ、急に止まる、電話を切る、遮る
※○○を強調したい時は、「cut ○○ off」という表現もある
その後に「his head(炭治郎の頭)」という名詞句がきていますね。
しかし、
なんで「head=頭」なんでしょうか??
「head」になった理由
英語で「首」といえば、基本的に
「neck」
を使います。
「ネックウォーマー」「ボトルネック」とかの「ネック」ですね。
しかし、日本語で
「頸(くび)」「首」というのは、
いわゆる首の部位以外にも、「切り離した頭」のことを指し、
「首がない死体」
と言えば、
「頭がない死体」
を指すのは日本人ならよほどの幼児でない限りわかります。
しかし日本語と違って、
英語の「neck」に「頭」の要素はないので、
「neck=首」を「cut=切る」にしてしまうと、
まんま首そのものを切る(頭がとれるとは限らない)
という意味になってしまうんですね。
それだと、斬首刑の意味がない。
なので、
英語圏の人に「頭を落とす」意味で「頸を斬る」と伝える時には、
I'll cut off his head.
=俺は頭を切り落とす
と「head」を使って訳す必要があるわけですね。
「cut」でも通じる!? 前置詞「off」が必要な理由
「cut」には「切る」という意味があるので、
前置詞の「off」がなく
I'll cut his head.
としても文法的に問題はありません。
じゃぁ、
「off」をつける理由は何?ってことですが、
「雰囲気」をつけるためですね。
たとえば、
日本語で首を「切る」を、
あえて「切り落とす」って言う言い方ありますよね?
どんなイメージですか?
大根の葉っぱを、ズバッと切って捨てるイメージかもしれません。
時代劇で、斬首刑にされるイメージかもしれませんね。
いずれにせよ、
単に「首を切る」よりもちょっと雰囲気が変わりますよね?
英語の「off」も似たような感じで、
「cut」して「off」することを強調するために、前置詞「off」を使うんですね。
また、「off」などをつけないと、
I'll cut his head.
=俺は彼の頭を切る
という風に、
頭の部分だけを切って、切り離されたかはわからなくなってしまうので、
そこをハッキリ明確にするために、
I'll cut off his head.
=俺は彼の頭を切り落とす⇒首を切る
としているわけですね。
ですから、
あえて「首を切り離す」という意味で使う時は「cut off」という表現を使います。
単に首を切るだけじゃなくて、「離す」必要がある時ですね。
この「cut off」は、
「遊郭編」の英語版に何度も登場してきますので、
ぜひぜひご確認してみてください。
(理由はネタバレになりますから言いません!)
今日のまとめ
「前置詞」というと難しく感じる人が多いかもしれませんが、
「名詞」につくものなので、それを「どう」調理するか、という「雰囲気」「ニュアンス」を与えるものだと考えておくと、わかりやすいと思いますよ!
今日の言葉
ならば俺が派手に首を斬ってやろう