本日、
11月29日は「風柱・不死川実弥(さねみ)」(以下、不死川さん)の誕生日です。
『鬼滅の刃』のアニメ版しか見ていない人の中には、柱合会議で炭治郎と禰豆子をいじめた人という印象が強く、「大嫌い」と言っている女の子もいましたが、後半では結構主要な働きをするし、印象もだいぶ変わるので、ぜひぜひ原作も読み進めていただければなと思う次第ではありますが、そんな実弥の「らしさ」が出たシーンが今日のお題です。
劇場版を見ていない人にはネタバレになってしまうので詳細は伏せますが、
この、鎹鴉(実弥の近くにちょびっといるよ)から報告を受けて、静かに燃えながら言った、
「醜(みにく)い鬼共は俺が殲滅(せんめつ)する」を
『鬼滅の刃』英語翻訳版のネイティブ英語でどう訳された?という問題です。
問題
醜い鬼共は俺が殲滅する
※annihilate=絶滅させる
選択肢
①do
②can
③must
④will
答え
正解
醜い鬼共は俺が殲滅する
④の「will」が正解でした!
解説
主語+動詞
不死川実弥
I will annihilate all demons.
醜い鬼共は俺が殲滅する
この文の主語は「I」、
動詞は「絶滅させる」という意味のある「annihilate」でした。
「annihilate」?
スペルもわかりにくいですし、学校英語ではまず出てこない言葉ですね(動物が絶滅する話くらい?)。
英単語
〔動詞〕全滅させる、絶滅させる、完敗させる、打ち負かす、廃案にする
何でもかんでも否定的にとらえる人を
「ニヒリスト(nihilist)」
と言いますが、その「ニヒル(nihil=無)」と語源が同じですが、発音は「アナァイァレット」という感じになります。
ちなみに上級者向けですが、
「接頭語」と「接尾語」から意味を理解することも可能です。
an=その方向へ
nihil=無
ate=~にする
ということで、
an-nihil-ate=無の方向にする→絶滅させる
という意味なんですね。
全部ぶっ殺してやるというのが伝わる、実弥さんらしさを残した英訳ですね。
決意の助動詞「will」
動詞「annihilate」の前に付いていたのが、
今回の問題である、助動詞「do」「can」「must」「will」の4択でした。
「do」の場合なら、
I do annihilate all demons.
=(今から)全ての鬼を殲滅する
「can」の場合なら、
I can annihilate all demons.
=(俺なら)全ての鬼を殲滅できる
I must annihilate all demons.
=全ての鬼を殲滅せねばならん
・・・というような意味になります。
この場合の「do」は助動詞で、動詞「annihilate=殲滅する」を強調したいときに使う表現です。
目の前に鬼共がいればこれでも正解ですが、
今回は、目の前には修行用の「巻き藁(わら)」しかないので、「意志」を表す助動詞「will」を使った、
I will annihilate all demons.
=全ての鬼を殲滅してやる
になったわけですね。
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参考鬼滅の刃の名シーンでわかる「will」の使い方
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特に今回は、
不死川さんが決意を新たにするというニュアンスが強いシーンなので、
「I'll」という省略形ではなく、「I will」という「will」が目立つ形にして、「意志」を通り越した「決意」を表現しています!
「“醜い”鬼共」はどこいった?
「醜い」に該当する英語で真っ先に思い浮かばれるのが「ugly(アグリー)」ですね。
しかし今回は、
「ugly demons」ではなく、「all demons」になっていましたね。
「all」はもちろん「すべての」という意味ですが、今度は原作にありません。
原作通り「醜い鬼共」を
「ugly demons」にしてしまうと、
「醜い鬼たちだけ」的なニュアンスになってしまいますので、不死川さんの「すべて俺が殺す」的なニュアンスと異なってしまうんですね。
ちなみにこれは想像ですが、
鬼の全て、それこそ、「体から存在から何から何までひっくるめて無にしたい存在」を「醜い」という言葉で表現しているので、「all demons」にしたのではないのかな、と思います。
今日のまとめ
動詞がわからなくても、助動詞によって文全体の「テイスト」が決まりますので、意志を表す時は「will」、特に強い決意を表すときは、「I'll」と省略形にせず「I will」と力強く言いましょう!
今日の言葉
醜い鬼共は俺が殲滅する