公式twitterで昨日から行われている、
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』のBlu-ray&DVD発売記念カウントダウン。
毎日名セリフ&シーンと共にカウントダウンしていく企画ですが、
あと36日です!
遠い!
本日のセリフはコチラ
【あと36日】
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』のBlu-ray&DVD発売を記念したカウントダウン。発売当日まで紡がれる全38日間。お楽しみいただけますと嬉しく思います。
「俺はお前を許さない」https://t.co/DAjvqcnImj#鬼滅の刃 pic.twitter.com/oSJCXiiEfR
— 鬼滅の刃公式 (@kimetsu_off) May 11, 2021
下弦の壱・魘夢(えんむ)の血鬼術の夢から覚め、
無限列車の屋根に魘夢を見つけ
「人の心の中に土足で踏み入るな」
という名言を言った後のセリフですね。
この、「俺はお前を許さない」を
『鬼滅の刃』英語翻訳版のネイティブ英語でどう訳された?という問題です。
(こうやって見ると、原作の方が目が据わってますよね)
問題
俺はお前を許さない
※get away=逃げる
選択肢
①from
②of
③with
④to
短いフレーズですが、ネイティブがよく使う日常表現ですので、難しめです。
「逃げる」にくっつく前置詞は何か?
答え
正解
俺はお前を許さない
③の「with」が正解でした!
「with=~と一緒に」が何で
「get away=逃げる」にくっついてこうなるのか?
その辺しっかり見ていきましょう!!
解説
You won't get away with this.
俺はお前を許さない
助動詞「will」の
否定形「will not」を省略した「won't」を使った文でしたね。
「will」は未来ではなく「意志」を表す役目で、
「許さない」という言葉に込められた意志を「won't」で表しています。
その後に続く「get away」は、
「get=行く、着く」に
「away=離れて」という副詞がついているので、
英熟語
get away
=逃走、逃亡、抜け出す
という意味になります。
でも、
それだけで考えてしまうと、炭治郎のセリフの英訳が
You won't get away with this.
=俺はお前を逃がさない
というような意味になっちゃって、
原作とちょっと違うような…という気持ちになりますよね?
実は、
「away」の後の「with」を無視してしまうと、
そういう意味に捉えられちゃうんですね。
get away with
結論から言ってしまうと、
「get away with~」
は、ひとかたまりで使われる定型熟語表現(イディオム)です。
英熟語
=○○を持ち逃げする、○○しても捕まらない/許される/罪を免れる、ただで済む
[例文]He gets away with murder.(彼は殺人をしたのに罪を免れている)
「get away」自体が「逃げる」を表しているのですが、
後ろに、
名詞の前に置く前置詞「with」をつけ、
名詞が指すもの(主に罪)と一緒に(with)逃げる、
つまり
get away with ○○
=○○を持ち逃げする
が転じて、
get away with ○○
=○○(罪)をしても許される
という意味を指すんですね。
英語圏では割と普通に使う表現で、
今回の炭治郎のセリフのように、これを否定形にして
You won't get away with this.
=お前はこの罪をしても許されない
⇒お前を許さない
という怒ったときの定番のフレーズなんですね。
(thatやitになることもありますが)
「許す」を意味する単語との違い
なお、
「許す」という単語には
「let」「allow」「forgive」などがありますが、
「許す」を意味する動詞
let⇒「自由にさせる」という意味
allow⇒「許可する」という意味
forgive⇒「罪を許す」という意味
のニュアンスがあり、
原作通り「俺はお前を許さない」を訳すときに、
どれかを使うなら
I won't forgive you.
=俺はお前を許さない
と「forgive」を使ったものになるでしょうね。
原作通り「I=俺は」が主語ですし、
この方がスッキリしてる感じがします。
しかし、
英語版の翻訳がそうならなかったのは、
この前のシーンが、
「人の心の中に土足で踏み入るな」という炭治郎のセリフ通り、
魘夢がこれまでしてきた、
人間の夢も好き勝手にコントロールする
という「罪が罰せられず来たこと」を許さない、
という意味で、
「逃がさない=get away」というニュアンスを込めた
「get away with=~を免れる」を、
「won't」を使って、強い意志で否定したかったからではないでしょうか??
(推測ですけどね!)
今日のまとめ
英語のテストであれば、
「正解」が決まっているので日本語の訳通りに英訳すれば良いですが、
マンガは「作品」なので、
雰囲気を出来るだけ踏襲して訳されているので、ちょっと難しく感じる表現も多いですよね。
ですがそれは逆に、
「生きた」英語を学べるということでもありますので、こういう短いフレーズに触れながら、
定番熟語をおぼえられるとよいですね!!
よく使うから定番なので!!
今日の言葉
俺はお前を許さない