おはようございます!
いよいよ冬っぽくなってきましたね。
受験生は本格的な受験シーズンです!
きょうは祝日ですが、全集中・英語の呼吸で頑張りましょう!!
さて、本日のお題はこちら。
この、(デフォルトの)「水の呼吸」最後にして最強の、回転しながら攻撃力を上げていく連続技「拾ノ型 生生流転(せいせいるてん)」を
『鬼滅の刃』英語翻訳版でどう訳された?
という問題です。
なお、「玖(く)ノ型」についてはこちら。
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今回は「拾(じゅう)ノ型」ですので、
「ten」ではなく、第十番目の、という意味の「tenth」ですね。
「-th」をつけるだけなので簡単です。
それでは問題いきますよ!
問題
Tenth Form( )Flux!
全集中・水の呼吸 拾ノ型 生生流転
※flux=流転
選択肢:
①Infinite=無限の、限界がない
②Unlimited=無限の、制限がない
③Continuous=絶え間ない、連続した
④Constant=絶え間ない、一定の
意外なものが答えかもしれません!!
答え
文字が全部入っていないので、別のシーンのコマで失礼します!
無限列車編でのシーンですね。いつも「トドメ」にならない可哀想な拾ノ型。
正解
Tenth Form Constant Flux!
全集中・水の呼吸 拾ノ型 生生流転
非常に難しい問題でした。
①Infinite=無限の、限界がない
②Unlimited=無限の、制限がない
③Continuous=絶え間ない、連続した
④Constant=絶え間ない、一定の
と似たような言葉でしたが、④の「Constant」が正解でした!
解説
それぞれの単語の意味をしっかり学ぶ前に、気になる「アレ」の解説ですね。
「生生流転」とは?
「生生流転」は、
「せいせいるてん」
「しょうじょうるてん」
とも読む、いわゆる「四字熟語」です。
辞書にも載ってます。
広辞苑 第七版
万物は永遠に生死を繰り返し、絶えず移り変わってゆくこと。
語源は「生生」「流転」というともに仏教語で、
生生=生死を永遠にくり返すこと
流転=生死・因果がくり返されること
という言葉を組み合わせた、いわば人生観ですね。
デカい話です。
我々日本人は古来より、
水の流れを人生にたとえることがよくありますね。
国語で習う、『方丈記』
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず(鴨長明)」
なんかもそうでしょう。
つまり、
水の流れのように絶えず流れ続け、そして同じ顔をもたず変化し続けるのが「生生流転」。
「流れる」という漢字も入っていますし、スケールのデカい言葉ですから、(オリジナルの)水の呼吸の最後の型にピッタリの名前だったわけですね。
作中ではヒノカミ神楽の登場で影が薄くなりましたが、アニメ版のエフェクトは話題になりましたね!
今回の英単語
そんな、「生生流転」をどう翻訳したか?
それがまさかの単語二文字「Constant Flux」。
さて、どんな意味か見てみましょう。
英単語
〔形容詞〕絶え間ない、一定の、不変の
〔名詞〕定数、一定不変のもの(堅い表現)
「絶え間ない」という意味の単語ですね。
「constant」は、
「全集中・常中」の「常中」を表す言葉でもありました。
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つまり、
一定の状態でい続ける事、でしたね。
「生生流転」は、
変化し続ける事、ということでしたので、なんか変な感じがしますよね?
そこで、次の「flux」です。
英単語
〔名詞〕絶え間ない変化、移り変わり、よどみない流れ、流出、流量、流転
〔動詞〕溶かす、解ける、流れ出す
こちらは「流れ」を意味する言葉でも、「血液の流出」「流動率」などに使うような、特にかしこまった表現です。
(通常の「流れ」は玖ノ型のように「flow」を使う)
そのため、「流転」の訳語の一つでもあります。
「絶え間ない変化」を表す英単語なんですね。
堅い表現なんで、受験にはたぶん出ないでしょう。
それにしても、
「constant」は、
「絶え間なく一定の」という意味があるのに、
「flux」には、
「絶え間ない変化(流転)」という意味があります。
とっても矛盾しているように感じませんか?
訳がヘン?絶え間なく「一定」で「変化」?
でも、おかしくはないんです。
私も学生時代、こういうのを見るたび、
「英語おかしい!やっとれん!」と思ったものですが、それは「品詞」を理解していなかったからですね。
「constant flux」は、
形容詞のconstant+名詞のflux
なんですね。名詞が形容詞の後ろには普通来ませんからね。
で、先ほどご紹介した、「常中」の「constant」は名詞なんです。
全集中・常中
=Total Concentration: Constant
(全集中・一定不変で続ける事)
今回の「constant flux」は、
「constantなflux」
つまり、
「絶え間なく続く、絶え間ない変化(=流転)」
ということです。
ちなみにこの「constant」、語源が
「con=しっかり+stant=立つ」
から来ているそうで、まったく揺らがない様を表すんですね。
constantを使った単語
〔形容詞の例〕
constant temperature=定温
a constant friend=誠実な友
〔名詞の例〕
the circular constant=円周率*
(*circular ratioとも)
いかがですか?
ゆるがない友情や円周率で表すくらいの、
まさに「不変」を表す、重い言葉です。
以上のことから見ても、
「生生流転」はデカいスケールの話を表現する言葉なので、英語に翻訳するときも、同じくらいのスケールで考えねば!
と考えて訳されていたっていうことですね。
それでもこれが「生生流転」すべてを表しきれるとは限りませんが、その辺はやはり、翻訳の限界でしょうねぇ。
今日のまとめ
一見矛盾しているようでも、「どの言葉が」「どの言葉に」「どんな風に」かかっているかで、意味が変わってくるってことですね。
これは日本語も同じです。
辞書通りただただ「あてはめ」だけ考えていると読み取れるものも読み取れなくなりますので、どの品詞がどれにかかっているかを勉強するも大事ですよ!
例文
Total Concentration Water Breathing:
Tenth Form Constant Flux!
全集中・水の呼吸 拾ノ型 生生流転