おはようございます。
今日から、「鬼滅英単語」は朝に更新することにしました。
1日の始まりに、一つ、大好きな『鬼滅の刃』の英語版から、英単語を学んでもらいたいと思います。
今回はこちら。
この、「呼吸法」を『鬼滅の刃』英語翻訳版のネイティブ英語でどう訳された?という問題です。
問題
Today, I learned( )and some standard forms.
今日は呼吸法と型のようなものを習う
ヒント:①breath ②breathe ③breatheing ④breathed
答え
正解
Today, I learned breathing and some standard forms.
今日は呼吸法と型のようなものを習う
③の「breathing」が正解でした!
高校レベルの単語でしたので、ちょっと難しかったかもしれません。
なお、このシーンの英文自体は、中学レベルなので、読みやすいと思いますよ。
(「Like this?(こうですか?)」も、「好き」ではなく「~のよう」という「like」なのもわかりやすい例ですね)
解説
それぞれの単語の意味をしっかり学びましょう。
今回の英単語
英単語
〔名詞〕呼吸、呼吸法、呼吸術、休止
日本語だと、「呼吸法」と「呼吸術」はちょっとイメージが違う感じがするかもしれませんが、基本的に英語だと同じですね。
なんなら「呼吸」という言葉も同じです。
この、「breathing(ブリージング)」って言葉に聞きなじみがないと思いますが、こういう単語は聞いたことないでしょうか?
「ブレス」ですね。
なんか、ちょっと似てる気がしませんか?
ちなみに「ブレス」は、こういう単語です。
英単語
〔名詞〕息、呼吸、呼気、吸気、一息
あれ?
発音は違うけど、「breathing」と「breath」ってスペル似てない?
同じ名詞で同じ意味もあるし?
って感じがしますね。
実はちょっと違うんです。
確かに、吐く息は基本的に「breath」を使います。発音は「ブレス」。
「ブレスケア」というのも、吐く息をケアしよう、という想いを込めた商品名ですね。
「breathing」の方は、「breath(ブレス)」という言葉が入っているものの、
「-ing」をつけたら、発音が「ブレシング」にならず「ブリージング」と変化します。
これはなぜでしょう?
呼吸法・呼吸・呼吸する?
「breathing」は「breath」に「-ing」をついているわけですが、「-ing」がついた名詞って、ピンと来ませんか?
そう、「breathing」は実は「動名詞」なんです。
ということは、もともとの動詞があるはずですよね?
だったらそれは「breath」?
いやいや、「breath」は名詞なので「-ing」をつけられません。
ということは、元々の動詞は?
実はこれも、日本で聞いたことがある(かもしれない)商品名に使われています。
「ブリーズライト」です。
鼻の穴を拡げて寝るときに鼻呼吸がしやすくなるヤツです。
海外製品なので、英語名は「Breathe Right」です。「light」じゃないです(知らんかったけど)。
これに使われているのが、「ブリーズ」という動詞ですね。
英単語
〔動詞〕息をする、呼吸する、息をつく、休む
この「ブリーズ(breathe)」という動詞に「-ing」をつけたものが、「breathing」なんです。
ややこしい!!笑
一度整理してみましょう。
比較
breath(ブレス)=〔名詞〕息、呼吸、呼気、吸気、一息
breathe(ブリーズ)=〔動詞〕呼吸する、息をつく、休む
breathing(ブリージング)=〔名詞〕呼吸、呼吸法、呼吸術、休止
発音を比べると、「breathing」が、「breathe」という動詞の動名詞ということがよくわかってもらえるかなと思います。
そこで、今一度問題となったシーンを見てみると、直前に「learned(学んだ)」という動詞(の過去形)が来ており、その後に動詞は来ちゃいけないので、直後の「breathing」は「ーing」がついているけどこれは進行形(現在分詞)ではなく、動名詞だということがわかります。
「呼吸」の意味がある英単語が二つ??
ちなみに、「breathing」にも「breath」にも「呼吸」という訳がありましたが、気づかれた方もおられるかもしれません。
比較
breath(ブレス)=〔名詞〕息、呼吸、呼気、吸気、一息
breathe(ブリーズ)=〔動詞〕呼吸する、息をつく、休む
breathing(ブリージング)=〔名詞〕呼吸、呼吸法、呼吸術、休止
いやぁ、混乱しますね。
しかし、そうなると、「全集中の呼吸」とか「水の呼吸」はどちらになるのでしょう?
・・・ってなっちゃいます。
しかし、
答えはすでにご紹介しております。
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このように、「○○の呼吸=○○ breathing」になるんです。
絶対に「○○ breath」にならない理由があるんです。
「名詞」と「動名詞」の根本的な違い
「breath」と「breathing」に同じ「呼吸」という訳がありますが、実はこれ、文字だけ見ると一緒ですが、本来の意味はちょっと違います。
とくに、英語ネイティブの人は使い分けができます。
学校英語のはんちゅうを超えるかもしれませんが、学校で教えてくれる先生は少ないと思うので、興味があればこの先も読み進めて下さい。
「breath(ブレス)」と「breathing(ブリージング)」の違いは、「名詞」と「動名詞」ですね。
違いをあーだこーだ語るより例文で比較した方が早いです。
比較
He is out of breath.(彼は息を切らしている)
Take a deep breath.(深呼吸をしなさい)
Deep breathing is relaxing.(深呼吸はリラックスできる)
They heard heavy breathing.(彼らは思い息づかいを聞いた)
パッと見の違いはよくわかりにくいですが、置かれる位置とか、主語とか目的語とかじゃなく、
なんのために「動名詞」を使うか、というのがポイントです。
例文の中の同じ「深呼吸」でも、
「Take a deep breath.」は、あくまでも普段している息を「deep(深く)」「Take(とりなさい)」と言って、普通の名詞として機能していますが、
「Deep breathing is relaxing.」は、まさに「深呼吸する」という、動作そのものを語りたいがために名詞化しているわけです。
つまりそれが「動名詞」の役割です。
そして、だからこそ「breathe(呼吸をする)」という動詞の動名詞が、「呼吸法」や「呼吸術」という意味にもなるのです。
同じ「呼吸」という訳を持つ「breath」と「breathing」の違いは「呼吸」そのものにフォーカスしているか否か、ということなんですね。
だから、当然、
「全集中の呼吸(Total Concentration Breathing)」にも、
「水の呼吸(Water Breathing)」にも、
原作に「呼吸法」という日本語は書いていなくても、「特別な呼吸」を表すからこそ「breathing」が使われているんですね。
それを日本語に訳したら「呼吸、呼吸法、呼吸術」になった、というだけです。
実は奥が深い動名詞でした!!
今日のまとめ
動名詞は「~すること」とおぼえさせられて、いざ、実際どういう時に使うのか?
ということを学校ではなかなか教えてもらえないので(そもそも学校英語が使うシチュエーションを考えて設計されていない)、ネイティブの使っている動名詞から、正しい動名詞の使い方を学んでもらいました!
英単語
〔名詞〕呼吸、呼吸法、呼吸術、休止、○○の呼吸