おはようございます!
今日も引き続き、『鬼滅の刃』原作23巻の発売を記念した、
全国紙5紙の新聞全面広告がネット公開されているのに勝手にタイアップした企画です。
第6弾は、伊之助の「猪突猛進をこの胸に」で行きたかったのですが、
訳がなんか微妙なので、第6弾を飛ばして、第7弾の禰豆子で行きます!
全集中・英語の呼吸でいきましょう!!
今回の名言はこちら。
遊郭で上弦の鬼との戦いにおいて、意識をなくした炭治郎が、
昔、禰豆子に喝を入れられた夢を見ていたシーンの中での一言ですね。
(このシーンは名言連発なので、未読の方はぜひ読んでくださいませ。というか最後のコマだけ鬼化してるんですよ!)
この、禰豆子の
「大切なのは“今”なんだよ 前を向こう 一緒に頑張ろうよ 戦おう」を
『鬼滅の刃』英語翻訳版のネイティブ英語でどう訳された?という問題です。
問題
大切なのは“今”なんだよ
Let's look to the future.
前を向こう
Let's do our best together!
一緒に頑張ろうよ 戦おう
※do one's best=全力を尽くす
選択肢
①It's
②That's
③What's
④There's
シンプルですがなにげに難しい文です!
この「文」の動詞が何かに注目しましょう。
消去法でもいいですよ!
目次
答え
正解
大切なのは“今”なんだよ
Let's look to the future.
前を向こう
Let's do our best together!
一緒に頑張ろうよ 戦おう
③の「What's」が正解でした!
疑問文じゃないのにナゼ?
な感じですが、定型表現としておぼえた方がよいやつです!
解説
後の二つの「Let's~」の文はシンプルな文なので解説は省きますね。
What's important is now.
大切なのは“今”なんだよ
important=[形容詞]大切な
now=今
というのはわりとすぐに出てくると思いますが、
文が疑問文じゃないのに「What」から始まる文でしたね。
その理由を明らかにする前に、
この文を省略せずに書き直して文をよく見てみましょう。
すると、
What is important is now.
になりますね。
そう、be動詞「is」が2つ来る文になるワケです。
不思議な構造ですね。
基本的に、
「A is B」であれば、「A=B」の関係になります。
かといって、
What is important is now.
だから、
「A is B is C」で「A=B=C」というわけではありません。
この「what」は何か?
「what」は通常、
What is that?
=あれはなに?
What do you do?
=何をされているんですか?
のように疑問文に使われます。
しかし今回の文は、
What is important is now.
と、最後に「?」がついていないように、疑問文ではありません。
原作ももちろん、疑問文ではありません。
疑問文(間接疑問文含む)じゃないときに使う「what」は何かというと、
ほとんどが「関係代名詞」です。
来ましたね、なんだかよくわからない関係代名詞。
実はこの、
「全面広告シリーズ」に登場する名言は、
関係代名詞(しかもwhat)を使っているケースがかなり多いです。
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主語になる関係代名詞「what」(主格の関係代名詞)
「関係代名詞」は、
わかりにくい英語用語の代表ですが、
大前提として「代名詞」であることは抑えておきましょう。
その中で、
関係代名詞「what」は、
「~する物/事」「~である物」的な感じになります。
代名詞は名詞の仲間ですから、文頭に置いたらどうなりますか?
そう、「主語」になりますよね。
なので、
What is important
だけで文が成立し、
主語(S)=What(~である物)
述語動詞=is(です)
補語(C)=important(大切な)
となりますので、
「S=C」
つまり、
「What=important」
の形を取る、
英語の呼吸・弐ノ型(第2文型)の形の文(ここでは節)になります。
ちなみにこれは
「what is important⇒大切なことは」
と訳す定型表現みたいなもので、
これがひとかたまりの名詞、つまり「名詞節」になるんですね。
主語になりますからね。
つまり、ここでの A is B is C は、
A=B=Cではなく、
(A=B)=Cの関係ということがわかり、
〈What is important〉is now.
という文にできるということになるワケですね。
(スラッシュリーディングで切ってもいいです)
こうするとまた、
主語(S):What is important
述語動詞:is
補語(C):now
と「S主語=C補語」の文になりますから、
「大切なこと=今だ」
となり、
What is important is now.
が、
「大切なのは今なんだよ」というセリフの雰囲気を残した訳になるわけです。
主格の関係代名詞what
「what」が主語になる節を作るのが主格の関係代名詞「what」で、意味は「~する物/事」「~である物」になる。
〔例文〕
What is important is now.
=大切なのは今なんだよ
表現の幅を広げる関係代名詞
ちなみに、
なぜ名言に「関係代名詞」が多いかというと、
複雑な表現(=深い意味を込めた表現)が可能になるからです。
逆に言うと、
理解する側は大変と言うことですけどね。
そこで、
関係代名詞「what」の機能を丸暗記するのではなく、
そもそも「どんな時に使う表現なのか」を理解しておくこともとっても大事だよ、という例でした。
(忘れるからね)
なお、
原作が “今” と強調していましたが、
英語翻訳版では now というように太字の斜体にして強調していたのも、
原作のニュアンスを出来るだけ再現しようとした、ということになりますね。
今日のまとめ
「主格の関係代名詞what」の中でも、
通常後ろに来ると習う関係代名詞が前に来た形でしたが、
おそらくこれが一番「代名詞」ということがわかりやすい文でしょうね。
それを「Wikipedia」で端的に表現してくれていました。
ポイント
関係代名詞 (Relative pronoun)
文中では接続詞のように働き、節の中では代名詞として働く。
(出典:Wikipedia)
この文はまさに後者の例でしたね!
今日の言葉
What's important is now.
大切なのは“今”なんだよ
Let's look to the future.
前を向こう
Let's do our best together!
一緒に頑張ろうよ 戦おう
なお、こちらのシーンは、
このセリフ以外にも中々いい言葉があふれていますので、英語版で読むと「なるほど、こういう訳か~」と参考になるのでオススメです。